「抜毛症」を秘密にしていた女性 自分らしく生きることを決意させた夫のユーモア
菊紫郎さんに、すべてを受け入れてもらった光子さんは、その後、ブログで抜毛症であることを公表した。
光子「もしかしたら世界中どこかにいる同じ悩みの人の心が軽くなるきっかけになるかもしれないという思いと、抜毛症と決着をつけるための自分の覚悟を、髪のないまま、どこまで表現できるのかチャレンジしたい思いがありました。」 そのカミングアウトが、光子さんの新たな活動につながっていく。頭髪に悩みのある仲間たちとNPO法人を立ち上げ、アーティストとのコラボイベントなどを企画。ファッションやアートを通して、抜毛症や脱毛症などへの理解を広げる活動を始めた。 光子さんを苦しめていたのは、頭髪に対する「こうあらねばならない」という価値観。菊紫郎さんとの出会いから出産を経験して、自分が何をしたいのかと向き合い、「自分らしく」生きていくことを光子さんは選んだ。
光子「私の場合はカミングアウトして楽になったんですが、隠したままでもいいと思っています。 大切なのは『そこに罪悪感を持つ必要は一切ない』ということ。私は『髪の毛がないとダメ』という制限をかけて生きてきたのですが、今は苦しさや窮屈さを感じるよりも、自分がいちばん心地よいと思える状態になりたい。いつも『本当に自分がしたいことは何か』を見つめながら、自分らしく生きたいと思うようになりました。」