犬の血液バンク、他の犬の命を救う「静かなヒーローたち」の世界 英国では全国規模のしくみ
「影響力は計り知れません」
英国とは違い、米国やその他の先進国には全国規模の血液供給システムはなく、動物病院のスタッフのペットや、病院を利用する動物からの供血に大きく依存している。米国の一部の大規模な動物病院は、独自の供給システムを持っていたり、近隣のクリニックと契約を結んでいたりする。 米国オハイオ州ダブリンのリバーサイド・ドライブ動物医療センターの医療ディレクターで、グレイハウンド・ヘルス・イニシアチブ・イヌ用血液バンクを支援しているデビッド・マクガフィン氏は、「供血は常に大きな課題です」と言う。同イニシアチブでは、これまでに94匹の供血犬から5100単位以上の血液を採血し、分配している。 「私たちは常にペットの飼い主を教育し、供血犬の数を増やそうとしていますが、困難な闘いです」 マクガフィン氏はイヌの供血に懐疑的な飼い主に対して、供血犬は最大限の配慮と敬意を持って扱われていることを強調している。「イヌが少しでも嫌がったら、私たちはそこで採血をやめています」 「供血犬は動物医療の静かなヒーローです。彼らの影響力は計り知れません」とハウ氏は言う。
文=Natasha Khullar Relph/訳=三枝小夜子