「追加費用を払ってでも欲しい」 ラグジュアリー の調達スペシャリストを利用する人々が増加中:Luxury Briefing
ブランドとの関係性
ウォーラー氏によると、最近韓国で採用した社員1名を含む10人で構成されるグローバル調達チームは、通常24時間から48時間でアイテムを見つけるという。ブランドから直接仕入れることがもっとも多いが、「5つの重要な情報源」にも大きく頼っている。クライアントがよく探しているのは「逃がしたアイテム」や最近完売したスタイルだ。そしてそれらはたいてい、ブランドに返品できないマルチブランドのブティックの倉庫で見つけることができる。ガブ・ウォーラーにとって最大かつもっとも急成長している市場は米国で、オーストラリア、中東、ニュージーランド、ヨーロッパ、英国がそれに続く。 創業12年のエリートUSAもまたインスタグラムで誕生した企業だが、現在はWhatsAppに顧客を誘導している。同社は差別化のカギはブランドとの関係にあるという。販売責任者であるディアナ・エルゼイン氏は、「いくつかの」ブランドを除いて、ブランドから直接仕入れていると語った。同社のチームが出席するラグジュアリーファッションのショーやショールームのアポイントへのアクセスもコンテンツを通じて顧客に提供している。 「エルメス(Hermès)がどこかと提携することはないだろう」とエルゼイン氏は言う。「この種のビジネスソリューションを単に採用しない、あるいは決して参画することはないメゾンがいくつかある」。それに関してウォーラー氏も、エルメスのバーキン(Birkin)とケリー(Kelly)バッグは新しいスタイルが入手困難で、中古のスタイルが極端な高値になっていることから、調達を行わない唯一のスタイルだと述べている。
いまはインフルエンサーに翻弄されている時代
エリートUSAは以前から積極的であることを自負しており、顧客の要望をただ待つのではなく、「次に流行る」と判断したスタイルを勧めることが多い。しかし、最近ではその能力の効果も薄れてきている。 「私たちはいま、インフルエンサーに翻弄されている」とエルゼイン氏は言う。「インフルエンサーが何を取り上げようとするのか、ブランドがインフルエンサーに何を与えて宣伝しようとしているのか、まったく見当がつかない」 。 この5年間、同社はラグジュアリーブランドが戦略を転換するのに合わせて、その波に乗ってきた。ラグジュアリー製品の需要が急増するにつれ、ブランドは大量生産を開始するか、生産を停止して独占性によって品位を維持するかという、ふたつの路線のいずれかを選択するようになったという。そのため、エリートUSAはいまでは大衆と競争するようになり、以前は障壁にならなかったウェイティングリストにも対応するようになった。エリートUSAが現在力を入れているのは、顧客に可能な限りベストプライスを提供することである。米国からパリに移住している最中のエルゼイン氏は、ユーロの強さを指摘した。 エル・アブドゥル氏が創業し所有するエリートUSAの注文納期は約1週間。その料金(配送料、手数料、パーソナルショッピング料)はさまざまである。 エリートUSAの買い物客の大半はミレニアル世代で、ヨーロッパ、中東、米国、アジアの女性が多いが、過去2年間でZ世代の買い物客が増えている。エリートUSAはインスタグラムとSnapchat(スナップチャット)に広告を出し、インフルエンサーとのパートナーシップに投資している。