北海のエース木村 示した実力とこぼれ落ちた勝利 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第1日の19日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われ、好投を続けていた北海の木村大成投手(3年)は九回に同点に追いつかれ、延長十回、サヨナラ負けを喫した。 【大会ナンバーワン左腕・北海木村の力投】 つかみかけた勝利がこぼれ落ちた。1点リードで迎えた九回1死一、三塁。神戸国際大付の8番・武本が見せたスクイズの構えに、「ストライクを取ろうと思ったが、とっさに低めに外した」。狙い通り空振りを奪ったまでは良かったが、投球はホームベース手前で弾み、好スタートを切った三塁走者が捕手・大津のタッチをかいくぐって生還。同点とされ、「まだまだ力不足」とうなだれた。 1年春からベンチ入りする実力者だが、もともと制球難が課題だった。1年秋に立島部長の助言で片道1時間の自宅通いをやめて入寮し、食事や栄養補給に気を配り、ウエートトレーニングで強化した結果、体重が10キロ近く増えて制球も安定した。 今大会防御率ナンバーワン左腕の実力は示した。切れ味抜群のスライダーと140キロ台の直球を軸に、一回は3アウトすべてを三振で奪う上々の立ち上がり。だが、回を重ね球数が増えるごとに、自慢のスライダーの精度が落ち始めた。「もっとスライダーを磨けば、全国で通用するはず」。チームの史上初となる大正、昭和、平成、令和の4元号勝利は、夏への宿題に掲げた。【伝田賢史】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。