「甘いもの=むし歯になる」は間違っている…歯科医が警告する「むし歯になりやすい意外な食べ物」の正体
■噛み応えのあるものを食べさせるべき 問題は、顎が発達しにくいことです。 歯の大きさは食べ物に関係なく成長します。歯が成長しているのに顎が発達しないと、歯の収まるスペースが足りなくなり、歯並びが悪くなってしまうのです。とくに西洋文化が入っている発展途上国では、お金のない人ほど歯に悪いものを食べがちです。そうしたものほど値段が安く、簡単にお腹を満たせるからです。 歯並びが悪いと、人前で笑うのを気にしたり、人相が悪くなったりしがちです。歯並びの悪さをバカにされたことが、精神に悪影響を与えることもあります。結果として犯罪に走る人も多いといわれています。その意味で幼少期の食事は重要で、軟らかく食べやすいものばかりでなく、噛み応えのあるものを食べさせる必要があります。 具体的には食物繊維の多い根菜や豆類、丸ごと食べられる小魚、弾力性のあるイカやタコなどです。ハンバーグなど挽(ひ)き肉を使った料理も子どもの好物ですが、塊肉の状態で食べさせることも大事です。 ---------- 【処方箋】 噛み応えのあるものを食べさせ、顎の発達を促す ---------- ---------- 前田 一義(まえだ・かずよし) 歯科医 1976年生まれ。日本歯周病学会認定医。2003年日本歯科大学を卒業。仁愛歯科クリニック副院長を経て、現在、医療法人社団康歯会 理事長、前田歯科医院 院長をつとめる。歯周病治療の第一人者・岡本浩氏、竹内泰子氏に師事。歯科世界最高峰であるスウェーデンのイエテボリ大学をはじめ、海外での研修を定期的に受講して最新の治療法を学び、世界標準の歯科治療に精通している。著書に『歯を磨いてもむし歯は防げない』(青春新書インテリジェンス)がある。 ----------
歯科医 前田 一義