「甘いもの=むし歯になる」は間違っている…歯科医が警告する「むし歯になりやすい意外な食べ物」の正体
■完璧主義を目指す必要はない たいてい家族から移りますが、この子の場合、親は保菌者ではありませんでした。 感染源をたどっていくと、飼い犬であることがわかりました。北欧生まれの犬で、その犬が歯周病菌を持っていたのです。おそらくは愛犬とのキスでうつされたのでしょう。生きている限り、バイキンを完全にシャットアウトするのは不可能です。 そもそも人間の体には常在菌がいて、菌をゼロにすることはできません。必要以上に減らせば、むしろ抵抗力を失い、かえって病気にかかりやすくなります。体内に菌がいることが問題ではなく、避けるべきは菌が体内で悪さをして病気になることです。 プラークも同じです。歯磨きで100パーセント取り除こうと、1日5回ぐらい磨き、さらに歯間ブラシで磨き残しを取り除けば、ほとんど取り除けるかもしれません。とはいえ、そんな生活は楽しくないでしょう。プラークが多少残っていても、発症しなければ問題ありません。定期的に歯科医院でメンテナンスすれば十分です。 ---------- 【処方箋】 むし歯菌に神経質になるより、子どもとのスキンシップを大事に ---------- ■歯並びの悪さには食生活も影響している ---------- 【カン違い】 子どもの歯並びが悪いのは遺伝だから仕方がない ↓ 遺伝もあるが、口呼吸や食生活も関係している ---------- 歯並びが悪いと歯を磨きにくく、磨き残しも出やすくなります。また奥歯に負担がかかり、歯が割れるリスクも高くなります。歯並びの悪い人は、子どもの歯並びも悪いことがあります。そこから「歯並びは遺伝だから仕方ない」と思っている人もいますが、歯並びの悪さは、遺伝以外にも大きな原因があります。 アメリカの歯科医師で、歯と体の健康に関する研究者としても知られるウェストン・プライス博士による、次のような報告があります。 1930年代に世界中の発展途上国の子どもの歯を調べたところ、西洋の食文化が入っている国の子どもは、みんな歯がボロボロだったのです。一方で昔ながらの食文化を続けている国の子どもは、みんな歯並びがきれいで、むし歯もありませんでした。理由は、西洋の食べ物には砂糖がたくさん入っているうえ、軟らかく、顎が発達しにくいものが多いからです。