高知東生「弱みがバレたら男じゃねえ」ヤクザの親分の息子として育ち“認められるため”薬物へ…今語る“男らしさ”に縛られない生き直し【国際男性デー】
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2016年に覚醒剤取締法違反の罪などで有罪判決を受けた高知東生さんは、生きづらさの根底に、弱みを見せてはいけないという“男らしさの呪縛”があったといいます。執行猶予期間を終え依存症の啓発活動を行ういま思うことをききました。 *Podcastできく*【国際男性デー】俳優・高知東生さんにインタビュー「“男としてかっこいい”より“人として面白い”」
■「男は女の3歩前を歩く」が根底にあった 特殊すぎた“幼少期”の環境
報道局デジタルグループ・宇田川宗ディレクター: 恥ずかしながら、私自身「ジェンダーって男性が語っていいものなのかな」と思っていた部分もあります。 高知東生さん: 僕は今、ジェンダーに関しての(ゆがんだ)考えから抜け出ることができました。生きることが、めちゃくちゃ楽になりました。 これまでの人生は、本当に“苦しい”を通り越していました。幼少期、僕の周りの環境自体が普通じゃなかった。母親がヤクザの親分の愛人という、「THE男社会」というものの中で育った。「出ていけ」「捨てるぞ」と言われるのが怖くて、大人に何か尋ねちゃいけない、いい子でいなきゃいけないと思っていた。「男は信じたもののために命を張る」とか、もう映画の世界と一緒だったけど、おかしいとは全く気付かなかった。 宇田川:「自分も大きくなったらこういう男になるんだ」と子ども心に思っていたんですか? 高知:成人したら、俺はその組の後を継ぐんだろうなって思っていました。今思うと、ちゃんちゃらおかしいんだけど、「女は男の3歩後ろを歩く」というようなことを、刷り込まれてきました。なぜ男が女の3歩前を歩くのか。守るために、障害なりを自分が先に浴びる。それが俺の中で「男らしさ」「女らしさ」の根っこにあるんだよね。 宇田川:状況は全然違いますが、僕も子どもの頃、「男なんだから」ということは、よく言われた記憶があります。 高知:特殊な家庭環境、プラス、僕は野球をやっていたんだけど、当時はやっぱり水を飲むと「根性がねぇ」と言われた。「それでもお前男か?」「レギュラーとりたくないのか?」って。すごく都合のいい「男たるもの」が頻発していた時代だったと思う。