コロナ重症度の目印、順天堂大などが明らかにした遺伝的特徴
順天堂大学の服部浩一特任先任准教授らは、新型コロナウイルス感染症の重症度の目印となる遺伝的特徴を明らかにした。コロナ患者の検体組織を解析。血液や血管に関わる遺伝子の個体差を比べたところ、日本人に最も多い遺伝子の個性を持つ患者は他の遺伝子の個体差に比べ重症度が低くなることが分かった。新型コロナの重症化の予想や早期診断などに役立つ可能性があると期待される。 東京大学との共同研究。成果は国際科学誌電子版に掲載された。 2020年3月―21年2月の期間に、順天堂大医学部付属順天堂医院へ入院か通院していた18歳以上の新型コロナ患者を対象に調査。研究への同意が得られた患者46人の血液を解析した。血液の凝固などを制御するたんぱく質「PAI―1」に着目し、遺伝子の個体差を示す「遺伝子多型」を調べた。一般的に遺伝学的に日本人に多い「4G/4G」よりも、欧米人に多い「5G/5G」の方が重症患者の割合が高いことを示した。 新型コロナ感染症は7月から第11波に突入したと考えられている。ウイルスの弱体化が進んだが、日本では高齢化が進んでいるため、重症化機構の解明が喫緊の課題となっている。