働きやすい工夫が詰まった“次世代オフィス”!社員がやる気になる大改革の舞台裏
働く人が憧れる「次世代オフィス」とは~創業134年の老舗が大変貌
結婚披露宴にも使われるお洒落な雰囲気の社員食堂を作ったのは越前織の老舗メーカー「松川レピヤン」。 【動画】働きやすい工夫が詰まった“次世代オフィス”!社員がやる気になる大改革の舞台裏
社屋のコンセプトが「福井で一番大きなお家」で、そのダイニングというわけだ。じゅうたんに座ってゆったり食事ができるコーナーも。奥の階段の先には昼寝もできるくつろぎスペースがある。 社員食堂だけではなく、オフィススペースもこだわって作った。どの位置に座っても社員同士の顔が見え、コミュニケーションが取れるようになっている。 2022年、7億円を投じてこの本社を作った常務・松川博美さんは「福井県だけでなく県外からも就職先に選んでもらえる場所にしたい。社員がご家族に自慢できる場所にしたくて見栄を張りました(笑)」と言う 新オフィスの効果は絶大。社員のモチベーションが上がっただけでなく、入社希望者が3倍に増えたという。 この社屋を丸ごと手がけたのが、「明日の『働く』を、デザインする。」を掲げるイトーキだ。 イトーキは日本で初めて学習机を作った創業134年のオフィス家具メーカー。本社は東京・日本橋の巨大なオフィスビルの中にある。 現在の主力事業は次世代オフィスのプロデュース。コンセプト作りから内装工事まで請け負うビジネスで成長してきた。「カルビー」や「サントリー」など大手企業からも引っ張りだこで年間4万件のオフィスを手掛けている。赤字に苦しんだ時期もあったが、V字回復した。2023年の売り上げは1300億円を突破し、過去最高を記録した。
〇オフィス革命1~働き方を変える家具 イトーキの本社は3フロア。毎年1フロアずつ順繰りに改装し、最新オフィスの使い勝手を試している。入社2年目の営業本部・大塚真純は転職組だが、オフィスが会社選びの決め手になったと言う。 「他の会社さんからも内定をいただきましたが、『ここで働けたら素敵だな』と思って志望度が上がりました」(大塚) オフィスは照明や家具、インテリアで「屋内」と「屋外」を表現。その日の仕事の内容や気分に合わせて好きな場所を自由に選べるようにしている。 集中したい時は私語禁止のエリアへ。デスクは昇降式で、立ったままの作業も選べる。大きなモニターが付いていて細かい作業にも集中できるという。 大人数で話し合うスペースは「キャンプファイヤーみたい。外側からも参加できるから盛り上がりやすい」(大塚)。中心に据えられたのは360度カメラ。これ1台でリモート参加者からは全員の顔が見える。 独自開発した「サウンドソファ」はリモート会議にありがちな音の悩みが解決できると言う。離れているとリモートの相手の声はほとんど聞こえないが、近づくと声がクッキリ。 「ヘッドレストが指向性スピーカーになっていて、空間の外には音が漏れない」(営業本部・大熊隆司) 一方、こちら側の声は集音マイクが1メートル以内の音しか拾わないので、相手も周囲のざわつきが気にならない。個室を探す必要がなくなるのだ。 こうした家具を求めてイトーキの本社には年間2万人がやってくる。この日は「東横イン」のスタッフが来社。本社はショールームの役割も果たしていて、実際に家具を使っているところを見学できる。 「なんか羨ましい。こういうところで働きたいです」(「東横イン」・田中知子さん)