[麻布競馬場]友達がいなくても大丈夫 30歳を過ぎたら大人のクラブ活動
年齢が30代以上にもなると、新しく友達を作るのは難しいもの。今どきは「他人を誘うのが怖い」という人もいます。ですが、タワマン文学の旗手で兼業作家の麻布競馬場さんは、ある方法なら無理なく新しい友達が作れることに気付きました。その方法とは「ゆるいクラブを作る」というものです。(編集部より) 友達、減っていく一方じゃないですか? 30代以上の読者の多くは、この問いに深く頷(うなず)いてくれるんじゃないだろうか。結婚、子育て、転職、転勤、病気、介護……。2、3か月に一度くらいは会っていた友人との関係を、次々と襲い来る大人の事情が引き裂いてゆく。一度断られてしまうと次が誘いづらくなるし、そうして期間が空いてしまうともっと誘いづらくなる。かく言う自分にも大人の事情があって、誘いを断り続けているのだから仕方ない。 今更NETFLIXで観た『地面師たち』の感想を誰かに伝えたい! と興奮気味にLINEを開いたところで、気軽に送れる友達は一人も見つからない。職場では今日もメールもチャットも嫌になるほど送ったし、婚活アプリでは今日もメッセージを飽きるほど送ったのに――そこでようやく気付く。あれ、友達ってどうやったらできるんだっけ? ●友達がいない人の数は30年で4倍に 米国の心理学者が記した『FRIENDSHIP(フレンドシップ) 友情のためにすることは体にも心にもいい』(日経BP)によれば、友達が減っていく原因はあなたの人格ではなく社会にある。仕事のせいで友達との予定をキャンセルするのは許されるものの、その逆は許されない。人間の心を研究し尽くしたスマートフォンは可処分時間を無尽蔵に奪ってゆき、外出すらさせてくれない……。友達がいない人の数は、1990年代と比べて2021年は4倍になった! そう、反人間的な社会を生きる我々にとって、友達とは勝手にできるものではなく、超努力して作らなければならないものなのだ。大人になってゆくにつれ、パートナーや職場の同僚との比較の中でつい軽視してしまいがちな「友達」の素晴らしさや作り方を、本書は改めて教えてくれる。来たる新年の交友関係を考えるためにも、年末年始に読むべき一冊と言えるだろう。 都内在住の会社員にして33歳独身男性であるところの僕もまた、友達減少問題とは無縁でいられなかった。