Cookie規制対応は本当に必要? 本質を理解すれば「何もしない」も一つの手かも
■ 広告最適化視点
そして、2つ目は「広告最適化視点」から、広告媒体でのコンバージョン最適化の学習機能が難しくなっていることがある。広告媒体で正しくコンバージョン計測ができないために、数量や経路などのデータを基にしたAI分析による広告配信最適化機能が働かなくなる可能性がある。
Cookie規制による影響を回避するための3つの施策とは?
それではCookie規制に対して、具体的にどのように対策をとっていけばいいのか。 土井氏は、代表的な対応策として「アドバンスドマッチ」「コンバージョンAPI」「サーバーサイド計測」の3つを挙げ、「これをすべてやる必要があるというわけではない。自社の環境にとってどれが最も効果的か、優先順位を決めて順次取り組んでいくことが望ましい」と語り、それぞれについて説明した。 ■ [対策(1)] アドバンスドマッチ
Cookieに依存せず、申込みフォームなどによって、ユーザーの許諾のもとに得た個人情報(メールアドレスなど)をタグに記載してプラットフォーマー側へ送信し、サイト側でコンバージョンが生じた時に突き合わせて計測する。
■ [対策(2)] コンバージョンAPI
広告主が計測用のサーバーを立て、コンバージョンが起きた時に、そこからAPIでプラットフォーム側へサーバー発行のCookieやメールアドレス、電話番号などのデータを送り、登録済みのユーザー情報と照合して計測データを処理するというもの。個人情報は必須ではないが、使用したほうが正確に計測できる。
■ [対策(3)] サーバーサイド計測
広告主の計測用サーバーから、規制の影響を受けないCookieを発行し、プラットフォーム側サーバーやアクセス解析ツールで分析を行う。
「コンバージョンAPI」と「サーバーサイド計測」では、ともに「サーバー側で発行されたCookie」が鍵となる。もともとCookieは2種類の発行手段があり、JavaScriptで発行されたものは1st、3rdともCookie規制の影響を受けるが、サーバー側で発行したものは1stについてのみCookie規制の影響を受けず、削除されることはない。これを活用するというわけだ。 しかし、以上の3つの施策をすべて行えば、Cookie規制の問題が解決するとは言い難い。この後、サーバーサイドのCookieまですべて廃止される可能性は否めないからだ。土井氏は「あくまでも個人的な見解として」と前置きしながら、以下を述べた。 ┌────────── 絶対にすべて廃止されないとは言えませんが、代替となる新技術が現れるまでは当面の間、Cookieがすべて使えなくなることはないと思います。なぜなら、ログインの継続や動画の情報維持、お気に入り登録などにもCookieが関与しており、それがなくなることでブラウザのユーザビリティそのものを損ねかねないからです(土井氏) └──────────