Cookie規制対応は本当に必要? 本質を理解すれば「何もしない」も一つの手かも
つまり、サイトに来てくれた人が1週間後に来てくれても“同じ人”とは気づかれない。まして広告経由で来た人については1日後には“他の人”として認識される。そうなると新規と既存ユーザーが区別できなくなり、流入元も把握できなくなる。コンバージョンはもちろんリーチやフリークエンシーなどが正しく計測できないという影響が出る。
また「3rd Party Cookie」は即削除され、ターゲティング広告の行動ターゲティングやリマーケティング広告、広告コンバージョン計測ができなくなる。つまり、リターケティング広告やアドネットワーク媒体でのオーディエンス配信ができず、コンバージョン計測が正しくできなくなる。 この解決策について、土井氏は「1st Party Cookie」については自社サイト内の計測基盤を強化していくことに尽きると語る。一方、「3rd Party Cookie」については、「これにとって代わる代替策はない。新しい代替技術の登場を待つ他ない」と評した。
なぜCookie規制への対応が必要なのか?
それでは、なぜCookie規制への対応が必要なのか。土井氏はデジタルマーケティング界隈で2つ大きな影響がでていることを指摘した。 ■ 計測視点 まず、1つめは「計測視点」の影響として、アクセス解析や広告コンバージョンが正しく計測できなくなることが挙げられる。国内の半数近くがiPhoneユーザー、すなわちiOS、Safariユーザーであり、Cookie規制の影響を大きく受ける。つまり、既にサイト内行動データや広告コンバージョンが正しく計測できていない可能性がある。
たとえば、ある広告からWebサイトへ誘導し、6件のコンバージョンがあったとしても広告を踏んで初回来訪から24時間過ぎた人が3人いたら、3件分のコンバージョンしか計測できず、全量データを計測できないことになる。運用型広告では過去のコンバージョンデータを広告AIが学習して運用効率を改善していくが、データが欠損すれば、広告の最適化も不完全になってしまうというわけだ。