大型連休「国慶節」を迎えた中国、旅先選びは近場が人気、航空券は値下がりか
中国経済が減速する中、2024年10月1日から始まる中国の大型連休「国慶節」は、旅行支出の増加にはつながらないと見られている。中国人旅行者が国内の安価な旅行先や海外では近場の旅行先を選び、安い航空運賃を利用する傾向があるからだ。 中国政府によると、連休中の国内交通機関が取り扱う平均旅行回数は前年比0.7%増にとどまる見込み。中国未来研究会の観光部門の専門家は「観光支出が昨年と横ばいであれば良い結果。景気が良いときは人々は旅行に前向きだが、経済成長がなければ観光の成長はない」と分析している。
今年は節約志向、日本など近場の海外旅行が人気
旅行プラットフォームのフライトマスター社のデータによると、国内航空券の価格は昨年の同時期より21%安くなると予想され、国際エコノミークラスの航空運賃は2023年より25%、2019年より7%安くなると予想している。 また、中国人海外旅行者は今後も、海外旅行先として日本、韓国、タイ、シンガポールなどのアジアの近距離国を選ぶとしている。 一方、トリップドットコム(Trip.com)は、人気の旅行先はアジアだが、今年は滞在期間が長いオーストラリア、ニュージーランド、英国、フランスなどの長距離旅行先へのシフトが顕著になっていると指摘している。 そのような中、外国航空会社が中国路線を縮小しているのも現実だ。今年、ブリティッシュ・エアウェイズやカンタス航空などの一部の外国航空会社は、需要不足と中国航空会社との激しい価格競争によって、中国便を削減または運休した。 エアアジア・フィリピンは今月、第4四半期までにマニラと中国間のフライトを停止すると発表。地元メディアは、同社CEOが2019年の30%の旅客数シェアが今年はわずか2%にまで落ち込んだと語っている、と報じた。 ただ、例外もある。大韓航空は、旅行需要が改善していることを理由に、今月、中国発着の複数の路線の開設または復便を発表した。 ※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。
トラベルボイス編集部