「2スト旧車ばかり集める、イタリアの鈴菌な人」現地から伝えるイタリアのリアルなバイクライフ【Vento Italiano N.1】
そもそもイタリアには旧車の保護政策的なものがあるのですが、その影響もあってか、ミラノ市内ではホンダ CB400Fourを普通に乗り回している人をみかけたりします。 ただ、古い車両ならではのややこしい問題も。 イタリアでは未だに全車両のナンバープレート情報がオンラインに登録されておらず、1994年以前の車両は基本的にイタリア全土のオンラインナンバープレート検索システムで持ち主情報を確認することができません。理由は簡単で、それ以前は「紙の書類で全部やっていたから」です。 いや、そのオンライン登録の話以前の問題として、そもそもつい数年ほど前までイタリアには「車検証」と、その車両の持ち主であることを証明する「車両保有証明」の2つの書類があり、名義変更には車検証ではなく「車両保有証明」が必要でした。 この車両保有証明、長年に渡って車両を保有している間に自宅のどこかにいってしまって見つからない、というケースが結構あるんです。そうなると車両を売りたくても売れない、という事態に。 仕方がないのでどうするかというと、警察に行ってながなが延々と待たされた上で「紛失証明」を発行してもらう。車両保有証明をなくした場合は、この紛失証明がないと譲渡ができない、ということになるんです。 長らく車庫で寝かされていたような旧車の場合、車両保有証明だけでなく車検証もなくなっていて、再発行だなんだと費用や時間も相当にかかってしまい、旧車マニアは涙を呑む……というのは、イタリアでも日本でも共通の点でしょうか。 レポート&写真●酒井 博 編集●上野茂岐