“カネロ”アルバレスが18センチ身長差克服の圧勝劇で世界Sミドル級王座統一…「ゴロフキンが戦うのであれば受ける」
カネロは10ラウンドにはボディショットを連発して倒しにいった。右のボディから右アッパー、右のストレートから左ボディという多彩なコンビネーションブローにたまらずスミスがクリンチに逃げると、会場への入場を許されたファンからブーイングが起きた。 必死に耐えたスミスは、最終ラウンドには、左腕の上からパンチを打たれたダメージで二の腕が大きく腫れあがり、ダランと伸びたまま、もうファイティングボーズを取ることもできなかった。クリンチのオンパレード。白いトランクスは、目尻のカットや鼻血などで真っ赤に染まっていた。 プロモーターのエディ・ハーン氏の説明によるとスミスは、カネロの強烈なパンチにより2ラウンドか3ラウンドに左腕の上腕二頭筋を断裂したと思われる怪我を負ったという。 「信念があった。負けたくなかった」というWBSSのスーパーミドル級の優勝者でもあるスミスは、そのプライドを胸にボロボロになりながらもKO負けだけは免れたが、ジャッジペーパーが読み上げられる前に、もうカネロはコーナーに上がって勝利の雄叫びを上げていた。 ジャッジの2人が119-109をつけた(1人は117-111)3-0の判定勝利。KO勝利も同然の圧勝劇でカネロはスーパーミドル級のベルトの統一に成功した。 「13カ月間、試合がなかったが素晴らしい戦いができたと思う。スミスは素晴らしいファイターだが、私は素晴らしい戦いをした。支えてくれた皆さん、ありがとう。とてもうれしい」 カネロは4階級制覇王者を示すキャップを誇らしげにかぶった。 DAZNが番組で示したデータによると、トータルで、カネロは484発、スミスは536発のパンチを放ったが、効果的なパンチはカネロが209発、スミスが97発。カネロが圧倒した。 「私は世界で最高の選手だ。自分がどういう選手かを見せることができた」と、カネロは胸を張ったが、その言葉通りの力をリングで誇示した。 一方のスミスは「壊滅的なダメージを受けた。(左)腕が痛い…。勝つためにリングに上がったが、今夜は自分のものにならなかった。今夜のカネロは素晴らしかった。彼はただ賢く機敏だった。罠を仕掛けて、常にこちらを考えさせていた」と、リング上で完敗を認めた。 注目はカネロの今後のプランである。