メディアレップ「CCI」「DAC」の誕生とインターネット広告市場の幕開け[第2部 - 第9話]
杓谷:『WIRED』のウェブサイトに掲載されたものが、世界で最初のバナー広告と言われていますね。Web担当者Forumでもこちらの記事に掲載されています。
佐藤:とはいえ、検索エンジンの検索結果に表示される広告枠をどう売れば良いのかなんて、見当もつかない状況でした。「在庫管理はどうしてるのかな?」など、わからないことだらけでしたね。
1996年、ついにインターネット広告市場が誕生
佐藤:こうして、1996年6月にCCI、12月にDACという2つのメディアレップが誕生し、インターネット広告市場が本格的に動き出しました。 CCI陣営の主要メディアは「Yahoo! JAPAN」で、DACが設立された頃にはすでに確固たる地位を確立していました。一方、DAC陣営が擁する「Infoseek Japan」は、ポータルサイトとしては後発ではあるものの、現在のGoogleに通じるようなロボット型の検索エンジンを開発しており、最先端の技術を持っていたことが強みでした。1998年に米Infoseekの100%子会社として株式会社インフォシークが設立されるのですが、この時点ではデジタルガレージのいち事業部という位置づけです。 杓谷:CCIやDACのような、インターネット上の広告枠を専門に仲介販売をする会社を「メディアレップ」(Media Representativeの略)と呼びます。CCIとDACの概要をまとめると、以下の表のようになります。 |CCI |DAC 設立年月 | 1996年6月 | 1996年12月 主な広告代理店 | 電通 | 博報堂、旭通信社など、電通以外の大手総合広告代理店 主要メディア | Yahoo! JAPAN | Infoseek Japan メディアの経営主体 | ソフトバンク | デジタルガレージ
杓谷:下の図は、インターネット広告が売買される際のメディアレップの立ち位置を図解したものです。佐藤さんのInfoseek Japanは一番右側の「サイト(メディア)」にあたり、加藤さんの日広は真ん中の「広告代理店」に属しています。
次回は1/23(木)公開予定(隔週木曜日更新)です。