横澤夏子「自分の“甘える力”も育てていきたい」三姉妹の育児で気づいた、一人で抱え込まないことの大切さ【インタビュー】
4歳、3歳、1歳の三姉妹の母として奮闘する4年間の日々を綴った子育てエッセイ『ドタバタ子育て大作戦 三姉妹のれんらくちょう』(オレンジページ)を上梓した、お笑い芸人の横澤夏子さん。本書では、保育士と保護者が毎日の子どもの様子を伝え合う「保育園の連絡帳」を中心に、子育ての考え方や、ごきげんなママでいるための秘訣などを率直な言葉で紹介しています。 仕事・子育て・家事を抱えながら崖っぷちの毎日を過ごす横澤さんに、連絡帳の思い出や、子育ての中で学んだことなどを伺いました。
横澤夏子さん(以下、横澤):朝起きた瞬間から朝ご飯の準備をして、子どもたちが食べている間にアプリに打ち込みます。朝食は私が作っていて、メニューは主食、フルーツ、ヨーグルトという感じ。朝早く出る時は、子どもたちと一緒に「いってきます」をして、移動中に打ち込んだりとか。3人分書くのは大変ですけど、ガーッと短時間で書いたことが、案外、その時の娘たちの真髄をついていたりするんですよね。書き出してみて気づくことが多いんだと思います。 ――連絡帳って、保育園から書いてくださいと言われて、なんとなく書いているだけでしたが、「秒で過ぎていく毎日の中で唯一の思い出のメモ帳になっている」という言葉に深く共感しました。 横澤:私も最初の頃、「何を書いたらいいのかわからない」とSNSに載せたら、いろいろな反響があって、みんな連絡帳のことで悩んでいるんだなと。この本のお話をいただいた時、まだ4年間しか子育てを経験していない私に語れることはあまりないんじゃないかとお伝えしたんですが、「もがいている最中だからこそ全部素直に話してください」と言われて。今は私にとっても思い出の一冊になっています。 ――本の制作にあたって、過去の連絡帳を読み返すこともあったのでしょうか。 横澤:読み返しました。驚くのは、3ヶ月前にめちゃくちゃ悩んでいたことが、今ではもう懐かしいんですよね。すでに違う悩みに切り替わっていて。私の母が書いた連絡帳も載せているんですが、「保育園に行きたくないという時がある」「友達とうまく遊べない時がある」って、子どもの頃の私に対する悩みが書いてあったんです。でも私は今こうして大人になれているし、子育ての悩みっていつの時代も変わらないんだなと。 ――子育て中のちょっとした出来事だと思うのですが、それが本当に“あるある”で共感できますし、三姉妹の行動が可愛らしくて、とにかく笑いました。 横澤:イヤイヤしている長女と次女を抱えたら、活きのいいシャケと大マグロみたいで「大漁」だった時のこととか。園の先生からも「さぞ大漁だったことでしょう。お疲れ様でございました」とお返事があって、それだけでもう「頑張ったな」という気持ちになりました。SNSでコメントしてくださった方もいますが、その場では必死だけど「大漁」と思えば気が楽ですよね。連絡帳って、自分だけではなく、自分と先生の双方向から見た日記。夫にしか伝わらないと思っていた我が子の“あるある”が先生にも伝わっていて、それだけでもあったかい気持ちになれます。