虐待政策は科学的裏付けに基づいているか 統計に依拠せず受刑者データから読み解く(東京科学大学教授・黒田公美さん)
法務省は平成25年(2013年)から再非行の可能性と教育上の必要性を4区分に分けるアセスメントツールを導入した。より精度の高い鑑別を実施することで、家庭裁判所の審判に活用している。
このツールは過去の全国の少年鑑別所入所者を対象にした調査結果と統計的分析に基づき、再非行と密接に関連する要因を特定したもの。諸外国における同種のツールと同じくらいの、高い信頼性・妥当性が確認されている。この客観的なデータを用いて、少年院や保護観察所における再非行防止のための処遇に役立てているという。 滝山展代 / サイエンスポータル編集部
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プロフィール
黒田公美(くろだ・くみ) 東京科学大学生命理工学院教授 専門はライフサイエンス・神経科学 大阪大学医学部附属病院、日本学術振興会の研究員を経て、2002年、カナダのマギル大学でポスドク(博士研究員)を勤める。2004年に理化学研究所の特別研究員となり、2023年から東京工業大学(現・東京科学大学)の教授。