「古くても価値のあるものを残したい。それが文化を守ることだと思います。」漫画家・笹生那実さんの着物の時間。
丁寧な手作業で作られたものをなくしてしまったらもったいない、と笹生さん。 「母や祖母の残した着物に触れると戦前(昭和10年ごろまで)のものは手触りが全く違います。軽くてしなやかで惚れ惚れしてしまう。着物だけでなく、古い建物などに残された手作業の魅力を知ってほしいです。なくしてしまうのは簡単です。それを保存し、伝えていくことが文化を守ることだと思います」
笹生那実 さん さそう・なみ 漫画家 横浜市出身。高校3年生のとき『別冊マーガレット』で笹尾なおこ(1978年以降は笹生那実)名義の「風に逢った日」でデビュー。同年に美内すずえのアシスタントを皮切りに、多くの漫画家のアシスタントを務める。2020年に32年ぶりのエッセイ漫画を発表した。近著は『すこし昔の恋のお話』(イースト・プレス)。
撮影・青木和義 ヘア&メイク・桂木紗都美 着付け・小田桐はるみ 文・大澤はつ江
『クロワッサン』1128号より
クロワッサン オンライン