TAD、回路刷新や新電源トランスを採用した2chパワーアンプ「TAD-M1000TX」
テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TAD)は、 “Evolutionシリーズ” の2chパワーアンプ「TAD-M1000TX」を、2024年11月より発売する。シルバーとブラックの2色を展開し、価格はシルバーが2,090,000円、ブラックが2,145,000円(表記いずれも税込)。なお、ブラックのみ受注生産モデルとなる。 【画像】ブラックモデル(受注生産) 本モデルは、2018年に発売されたステレオ・パワーアンプ「TAD-M1000」の後継機にあたる新モデル。回路レイアウトの刷新や、新たな電源トランスを採用したことで、「TADらしいパワフルかつクリアなサウンドを実現」とアピールする。 スピーカーの振動板を正確に駆動させるには、ボイスコイルに流れる正負の電流発生源を完全に同一にする必要があると同社は指摘。本モデルでは、増幅回路に入力から出力まで完全独立のアンプをバランス接続したBTL方式を採用し、正負電源の対称のみならず全ての電源回路の独立設計を実現している。 また、対称性の基準となるアースポイントを電気的だけでなく構造面から新たに設計したほか、ファーストステージは回路およびレイアウトを刷新するなど、「徹底した正負左右の対称性にこだわった」と説明する。 電源面では、新たにドロッパー方式の電源回路を改良した、1kVAクラスの大容量トロイダル型電源トランスを採用する。電源トランスの内部巻線を直出しすることで、引き出し線との接点を極力削減して高純度化を追求。また、直出し線のターミナル、基板マウントターミナル、締結ビスに非磁性のメッキと無酸素銅(OFC)を採用することで、磁性歪を徹底的に排除したという。 さらに、トロイダルコアの断面をスクエア型からリング型へと刷新。巻線との結合が向上してリーケージと振動を大幅に減少させることで、高純度で応答性に優れた電源供給を可能にして正確なスピーカー駆動を実現するとしている。 クラスD出力段には、低損失と高速性を兼ね備えた超低オン抵抗・リードレスパッケージのパワーMOSFETを採用した。シンプルなシングル構成によって応答性が高く、定格出力500W/4Ωの高い駆動力を備えた。 振動制御の面では、スパイク内蔵型インシュレーターによる3点支持構造を採用。床からの振動影響を低減するISOマウントを実現し、荷重ポイントの明確化や床からの振動の影響を低減することで、アイソレーション性能の強化を促し、音の情報量や力強さ、空気感を向上させるとのこと。 また、ラックマウントされた際にアンプ背面に接続されたスピーカーケーブルへのストレスを軽減するため、 “Referenceシリーズ” で採用している強固かつ高品位な大型スピーカーターミナルを装備する。機械的、電気的な接続安定度を向上させ、スピーカーケーブルの能力を最大限に引き出すと謳っている。 スピーカーの各ユニットと各アンプを直結することで、ユニット間での干渉を排除してセパレーションを向上させるBi-Amp機能を搭載する。本モデル2台をバイアンプ接続することで、アンプとスピーカーが持つ本来の性能を引き出し、歪みの少ない澄んだ音を再現するという。 デザイン面では、同シリーズの既発売製品であるディスクプレーヤー「TAD-D1000TX」や、DAコンバーター「TAD-DA1000TX」、プリアンプの「TAD-C1000」と組み合わせた際に、統一感をもたらすようなデザインに仕上げたとのこと。 SN比は112dB以上、周波数特性は10Hz - 50kHz(+0dB/-3dB)、消費電力は250W(待機時消費電力0.5W)。外形寸法は440W×148H×479Dmm、本体質量は29kg。
編集部 : 伴 修二郎