【総括:2024】中国は「ラグジュアリー失速」「AI制作コンテンツ」「越境EC新兵器」「POPMART株の爆騰」
販売サイトは中国だが、在庫は日本に置いている。このケースを越境ECと言っていいのかどうか、定義すらあいまいになるほどの変化だが、アパレルやコスメ、プラスチック製品などの“軽いもの“中心だった越境ECが、海外倉庫によってカバーする範囲を大きく広げることになりそうだ。
中国発フィギュア「POPMART」株が爆騰、時価総額は2.4兆円に
中国発のフィギュア企業「ポップマート」の成長がすさまじい。株価は年初から4倍以上に高騰し、直近の時価総額は1170億香港ドル(約2兆4000億円)に達した。あの好調サンリオでさえ1兆3000億円で、今年8月に「時価総額でサンリオに肉薄」という記事を書いただが、それから4カ月で追い抜くどころか、1兆円以上も差をつけている。
株価が上げ潮の要因は、海外事業の好調さにある。特にタイを中心とした東南アジアでは、韓国ガールズグループ「BLACKPINK」のリサがインスタグラムで紹介したことで爆発的な人気になったという。8月記事の取材では「2023年は日韓、2024年は東南アジアが主要ターゲット」と聞いていた。その時点ですでに東南アジアで一定の知名度を得ていたが、ブラックピンクの投稿で最後の仕上げに成功したということなのだろう。
世界的スターの投稿でバズらせたように見えるが、着実なマーケティングの勝利というわけだ。