中高年女性「毎日が楽しくない…」心の不調に効く!自律神経の整え方【専門医が解説】
Q.最近疲れていて、笑うことが減りました……
■A.口角を上げるだけでも自律神経がプラスに働きます 毎日のストレスフルな生活で、しばらく笑っていないな、という人もいるかもしれません。そんなときは、たとえつくり笑いであっても、鏡の前で笑ってみましょう。 口角を上げることで顔の筋肉の緊張がほぐれ、副交感神経が優位に。その結果、心はリラックスでき、血液の流れも改善されます。さらなるメリットも報告されています。 最近の研究では、笑うことが体の免疫力をアップさせ、がん予防にも効果があるナチュラルキラー(NK)細胞を増大させることが明らかになってきました。 また、笑うことは脳の活性化につながり、認知症の予防にもなるといわれています。 さらに、つらいことや悲しい出来事に見舞われて落ち込んでいる人にとっては、笑うことが元気を取り戻すきっかけになることもあります。 反対に怒ったり、イライラしたりすると、自律神経が乱れて血管が損傷し、老化のスピードが加速してしまいます。
Q.忙し過ぎるからなのか、食事をおいしく感じません……
■A.「マインドフルネス」で一つのことに集中してみましょう 「マインドフルネス」という瞑想法をご存じでしょうか。これは「今ここにある現実」だけに目を向けて雑念を排除し、心を安定させる瞑想の手法で、誰でも簡単に始めることができます。 このマインドフルネスの「一つのことに集中する」手法には、実は自律神経を整える効果があるのです。 例えば、呼吸をしているときは呼吸だけに意識を向け、「今、鼻から吸った息が肺を膨らませている」と目の前のことに集中します。 また、食事をしているときには、自分が何を食べているのか意識しながら、自分のやっていることを頭の中で実況中継してみましょう。「肉汁とタレの甘みがよくマッチしている」「隠し味の柚子が効果的」など、実際に感じたことを言葉で表現してみるのです。 そうすれば、知らず知らずのうちに食べるペースがゆっくりになり、一つ一つをじっくり味わうことができます。たまっていたストレスや雑念がいつの間にか消え去り、食事の楽しさで心も満たされるはずです。 これらのような工夫を取り入れれば、ストレスを解消し自律神経を安定させることができます。