田中碧は冬の市場で移籍すべきじゃない 名門リーズを昇格させて来季悲願のプレミアリーグへ
【冬の移籍を避けたほうがいい理由】 ビリー・ブレムナー、ジョニー・ジャイルズ、ノーマン・ハンター、ポール・マデリー、アラン・クラークなど、オールドファンには懐かしい名手たちをズラリと揃えた1973-74シーズンはイングランド1部リーグ(現プレミアリーグ)を制覇。「サンダーボルトショット」とも言われたピーター・ロリマーの左足は、驚異的な破壊力で多くの対戦相手を震え上がらせた。 翌シーズンのチャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)は決勝でバイエルンに敗れたものの、明らかなPKが見逃されたり、完璧なゴールが取り消されたりもした。 「間違いなくPKだった。われわれはレフェリーに救われたんだよ」 当時、バイエルンのキャプテンを務めていたフランツ・ベッケンバウアーも認めている。 また、2000-01シーズンのチャンピオンズリーグはベスト4進出。リオ・ファーディナンド、ハリー・キューウェル、リー・ボウヤーといった新進気鋭が見せる攻撃的なスタイルに、多くのサッカーファンが心を躍らせた。 田中がこの冬、革新的なアイデアや高度なデータ分析で急速に力をつけてきたクラブを選んでも構わない。だが、リーズは日本で考えられている以上に名門だ。いうなれば「老舗ブランド」。田中のキャリアに箔(はく)がつく。 ましてや、冬の移籍は難しい。フィットするまで1~2カ月の時間が与えられる夏とは異なり、新しい戦い方と環境に数日で馴染まなくてはならない。確固たるレギュラーから控えに下がるリスクもある。試合勘を失い、ようやく巡ってきた試合出場のチャンスにミス連発......頻繁に起きるケースだ。 同僚とサポーターの信頼を勝ち取り、メディアにも高く評価されているのだから、今は1ミリたりとも焦る必要はない。今シーズンいっぱいはリーズに、いやいや、イングランドきっての名門クラブに骨を埋める覚悟でもいいだろう。