二十歳のとき、何をしていたか?/神田愛花 アナウンサーになりたくて、 眼力で勝ち取ったNHKへの道。 無知がゆえ立ち向かえた新人時代。
なんでも神田さんによれば、女子校特有のカルチャーというか風土があるらしい。
「よく『女子校は女の子っぽい』って言われるんですけど、女子高出身勢からしますと、共学のほうが女の子っぽいイメージがあります。私たちはやはり学校に男性の目がないので、平気で人前で着替えますし、自由にはなもかめますし、上履きを洗わなくても何も言われない。喧嘩も思いっきりやります。ものすごくさっぱりしていて、逆に社会人になったときに悪影響を及ぼすこともあったくらい」
小中高と伸び伸び育った神田さん。大学受験を経て、学習院大学理学部数学科に進学した。理系だったんだ、と少し驚いたけど、よくよく考えるとわかる気もした。
「微分積分がすごく好きでして、問題を解いていると7時間ぐらい平気でたっちゃうんです。眠気も食欲もなくなって、ハイになるといいますか……。国語って解釈の仕方で変わるし、今も行間を読むのが苦手で、何も書いてないじゃないって思っちゃう。でも数学は必ず答えがある。それが白黒つけたい自分の性格と合っていたんです」
逸見政孝さんを見て憧れた、 アナウンサーという職業。
大学では勉強になるかもと読者モデルにも挑戦。というのは、すでにアナウンサーになるという夢があったから。実は小学6年生のときから将来を見据えていたのだ。
「当時、学習塾の日能研に通ってたんです。日能研はフジテレビの『平成教育委員会』とタイアップをしていて、志望校に受かった小6たちの祝賀会が横浜アリーナで開かれたんです。みんなテンション上がっちゃって、塾長の話も全然聞かない。でも、ゲストで番組MCを務めるアナウンサーの逸見政孝さんが話し始めたら、会場中の子供がお喋りをやめてシーンとなったんです。それを見たときに、アナウンサーってすごいなと。父や学校の先生、塾の先生以外で初めて刺激を受けた大人といいますか。そこでアナウンサーになりたいと思いました」
さらに気持ちを強くしたのは、大学時代に読者モデルの流れで決まったエキストラのバイト。深夜の音楽番組の女子大生枠として出演することになり、神田さんは5人いるメンバーのオチの役を任された。