【闘病】「イレウス」で瀕死状態 小腸は6分の1に…『食べて大丈夫な身体に回復したい』
腸閉塞とイレウスは、厳密には別の疾患なのだそうです。緒方結衣子(おがたゆいこ)さんは、もともと持病(1型糖尿病)があり、痛みなどの症状が出にくかったため、腸の違和感などが全くなかったことで、イレウスの発見が大幅に遅れてしまいました。救急搬送され、手術により一命を取り留めたものの、目が覚めた時には通常6mほどもある小腸のうち5mが切除されていたのだそうです。自宅から救急搬送されるまでの、そして、術後から現在までについて、話を聞かせてもらいました。 【本人提供】闘病中写真 & 糖尿病が進行した先に待ち受ける恐ろしい合併症《イラスト解説》 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2024年5月取材。
息子曰く「生きてはいないかも、と思った」
編集部: 最初に不調や違和感を自覚されたのはいつですか? どういった状況だったのでしょうか? 緒方さん: 私はもともと持病で1型糖尿病があります。今回は消化器疾患で闘病することになりましたが、発症したと考えられる数日間に腸の違和感はなく、腹痛や嘔吐、便秘などもありませんでした。しかし、その2カ月ほど前から、腸以外ではいろいろ不調はありました。食欲が落ち、筋力も低下し、歩けなくなっていました。体調を崩し続けていて、糖尿病の通院予約を取ったものの、歩けずに診察に行けなかったのが2月中旬でした。 編集部: そこからどのように受診にいたったのですか? 緒方さん: 2月下旬に差し掛かる頃には、ベッドに寝たきりで、傾眠状態(意識障害のひとつで、眠くなってしまう症状が続く)となっていました。成人し、仕事をしている息子が、「何とか病院に連れて行かないと埒が明かない」と休みを取って対応してくれました。その日の朝、私はもう意識がないような状態で、体を触ると氷のような冷たさにあり、息子は「生きてはいないかも、と思った」と後で話してくれました。慌てて救急車を呼び、息子も同乗して搬送されたときには、意識喪失後に瀕死状態だったため27℃の低体温で呼吸もままならず、呼吸器をつけるために挿管もされたとのことでした。もちろん私は、後になって病院から受け取った書類で知ったことです。 編集部: いつ頃から意識が戻ったのですか? 緒方さん: 目が覚めたのは搬送から5日後、手術が終了した後でした。多くのスタッフに囲まれ「お腹の手術をしたのよ。悪いものが腸にたまり続けて、放っておくと死んじゃう病気になっていたからね」と言われ、元々医療従事者でもあった私は「あ、イレウスですか」と小さく答えたのが第一声です。