「あとは奥さんによろしく、じゃなく…」 育児をSNSで積極発信、新しいパパアスリート像の体現
パパとして初のシーズンを迎えたバスケBリーグのバランスキー
育児と競技を両立する女性アスリートの話題が増えた昨今だが、日本ではまだまだ男性アスリートの父親としての側面が強調される機会は少ない。そんな中、異彩を放っているのがバスケットボールBリーグのアルバルク東京に在籍するザック・バランスキーだ。今季から“新米パパ”となった31歳に、SNSで積極的に育児の様子を発信する理由を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大) 【動画】「毎日毎日可愛すぎて…」 ミルクをあげたり、絵本を読んだり…育児に奮闘するバランスキーの実際の映像 「毎日毎日可愛すぎて、自分と奥さんだけにしか見せないのはちょっともったいないかなって」 冗談めかして笑うバランスキーの表情は我が子への愛に満ちていた。2021年8月に、Wリーグで活躍した元バスケ選手の石原愛子さんと結婚。今年6月に第1子の長女が誕生した。インスタグラムの投稿欄は、愛娘の天使のような笑顔で溢れている。ミルクをあげたり、抱っこしたり、寝かしつけたりと、新米パパとして奮闘する自身の姿も積極的に共有。「家族が大好きなので」。その理由はいたって単純だ。 米国人の両親を持つ栃木県生まれの31歳。自身も幼少期に米国で過ごした時期があるが、10歳からはずっと日本で生活してきた。元々バスケが全てというタイプではなく、常に一番は家族。「SNSは自分があげたいものをあげる場所かなと思う。バスケも大好きだけど、やっぱり一番は家族との記憶を自分のためにも残したい」。米国で暮らす家族に、孫の成長を共有できるという意図もある。 Bリーグの前身NBL時代からアルバルク一筋11年目。主将就任2季目のベテランだが、パパとしては初のシーズンだ。「やっぱり守るものが増えて、より頑張らなきゃと思う」。2桁得点を連発するようなエースではない。しかし、体を張ってスペースを生み出し、ここぞの場面でリバウンドと得点をもぎ取る縁の下の力持ち。生後5か月の娘の記憶にはまだ残らないが、父親として見せたい姿がある。 「キャプテンをやっているのもあって、自分のエゴを消して常にチームのために何ができるか意識してやっている。パパは一番点を取る人じゃなくても、常にやれることを頑張って、周りのことを思って行動している。それをかっこいいと思ってくれたらいいな」 愛娘の存在が、目立たない仕事であと一歩を踏み出す原動力になっている。もう一つ、忘れてはいけないのが妻・愛子さんの献身だ。コートに全身全霊を注げるのは「一番理解してくれる最高のパートナー」がいるからでもある。