プーチン氏に逮捕状を出した国際刑事裁判所 しかし危機をもたらしているのはアメリカだった【報道1930】
これに対し、シルアノフ財務相は「高金利と高インフレ、どっちがマシかと言えばもちろん高金利だ」と発言したという。 ■「“共食い整備”」航空業界は部品調達が困難に… 広大な国土での移動手段として欠かせない航空業界は深刻な事態に陥っている。ロシアでは主にエアバス、ボーイングといった欧米の旅客機が使われているが、経済制裁によって部品調達が困難になっている。ロシアの航空産業に詳しい渡邊光太郎氏は言う。 『ロシアNSI 経済研究所』 渡邊光太郎氏 「“共食い整備”といって他の機体から部品を持ってくる。または(規制の)緩い国から…」 こうした事情で、例えばエアバスなら全66機中34機が運航停止中だ。さらに欧米の機体はリース契約で本来返却しなければならない。これに対しロシアは返却の禁止を法制化した。 『ロシアNSI 経済研究所』 渡邊光太郎氏 「不法占有を(国が)命じた状態ということになります。差し押さえとか損害賠償とか普通の民事訴訟の世界…ですからあり得ないです」 そして、ロシアの旅客機は国際的な耐空証明が取り消されたので国外には運航できない。これに対してはロシア独自の耐空証明を勝手に発行し、国内とロシアの勢力圏だけで運航している。もとよりロシアやプーチン氏には国際ルールなど通用しない…。 ■「一番底辺の、一番弱い人たちを最後に救うものが“法”」 たとえ国際ルールが通用しない相手でも、正義を実現するためにあるのが国際刑事裁判所(ICC)だ。 ICCは去年3月“ウクライナの子どもたちを強制的にロシアに移送した戦争犯罪”容疑でプーチン大統領らに逮捕状を出した。これに対しロシアは反発。ICC上層部に対して逆に逮捕状を出し指名手配した。 さらに問題は、今年プーチン大統領がモンゴルを訪問した際、モンゴルはICC加盟国であるにもかかわらず逮捕どころか国を挙げて歓迎した。 ロシアからは“逆指名手配”、加盟国がロシアを歓迎…。今ICCは危機に直面している。番組ではキャスター自らICC所長にインタビューした。日本人として初めてICCのトップに就任した赤根智子所長だ。