華やかさと官能が最上級! 〈マセラティ〉グラントゥーリズモ・トロフェオ 75thアニバーサリー
人生一度きり。どうせなら思い切り華やかなクルマを持ってみたい。そうですよね~、わかります。しかし、“華タイプ”のスポーツカーやスーパーカーも意外に百花繚乱だから、悩ましい。そんな中、まだ展示中の個体があるのを見つけたことに加え、これは最上級のエロティックでありアートであると確信したため、情報をシェアしたい。〈マセラティ〉グラントゥーリズモ・トロフェオ 75th アニバーサリーだ。
〈マセラティ〉の4座2ドアクーペであるグラントゥーリズモは、2022年にフルモデルチェンジをして2代目に進化している。この際、同社のスーパーカー、MC20にも採用された3.0ℓ V6ツインターボである“ネットゥーノ”をさらに専用チューンしたエンジンを搭載。同時に、2030年までに電動化を宣言している〈マセラティ〉、このグラントゥーリズモにもBEV版をラインアップしている。
今回のテーマであるグラントゥーリズモ・トロフェオ 75th アニバーサリー は、このネットゥーノV6エンジンを積んでいて、最高出力550ps、最大トルク650Nm、0-100km/h加速3.5秒といった諸元が用意されている。まあ、このスペックだけでも申し分ないのだが、あのグラントゥーリズモなんだから絶対に間違えようのない、ド級の加速が楽しめるのは想像に易い。……なんだけど、推しのポイントはそこだけではない。とにかくデザインが美しいのだ。 〈マセラティ〉にGTモデルが登場して75年。公式HPによれば「先進的な考えを持つ愛好家たちは、レーシングエンジンとお洒落で優雅なスタイルを融合させるというアイデアを実現させました」とのことで、ハイエンドでハイスペックなだけでなく、さらに洒落たクルマが同社に求められた要件だったことが推測できる。そして、その真骨頂がグラントゥーリズモ・トロフェオ 75th アニバーサリーなのだ。
まず、用意されているカラーはプラチナに近いシルバーにコルセ・レッドの赤いアクセントカラーが映える“Grigio Lamiera(グリジオ・ラミエラ)”。こちらはレーシングヘリテイジにインスパイアされている。まあ、アクセントカラーといってもそこは〈マセラティ〉のこと。ハッと人の視線を奪う官能はちゃんと薫るのだけど、問題なのはもうひとつ、“Nero Cometa(ネロ・コメタ)”だ。なんと、ブランドロゴであるトライデントや社名など、エンブレムにミントグリーンを使用していて、かなりヴィヴィッド。ボディカラーもマットな玉虫カラーで、ネロ、というタイトルはついているものの、基本的にはマット塗装なのに加えて、紫のような赤みも混ざり、実にエロティック。見る角度で印象が変わって見飽きることがない。対してインテリアはホワイト&ミントグリーンのすっきり清楚なクリーンさ。このギャップに悶絶。いやほんとすごいんだから。既視感のないデザインを作らせたら〈マセラティ〉、そしてイタリアンデザインの右に出るものはいない。 全世界で各色75台ずつ、このNero Cometa(ネロ・コメタ)は日本導入13台。希少価値の高い芸術を、是非自分の目でチェックしてみてほしい。イタリアの妖艶に、脳天突かれること請け合いだ。
気になるスペックは?
★DATA 〈マセラティ〉グラントゥーリズモ・トロフェオ 75th アニバーサリー ●全長×全幅×全高:4965×1955×1410㎜ ●車両重量:1870㎏ ●ホイールベース:2930㎜ ●エンジン:3.0ℓV型6気筒ツインターボ ●最高出力:404kW(550PS)/6500rpm ●最大トルク:650N・m/2500~5500rpm ●トランスミッション:8速オートマチック ●駆動方式:四輪駆動 ●税込み価格:3660万円~
文=今井優杏