ゆるキャラ顔から大変身 シトロエン・ベルランゴがマイナーチェンジでフロント・マスクを一新
発売以来1万台以上を販売している人気モデル
ルノーがカングーで切り拓いた近年の輸入MPV(多目的車)マーケットに、旧PSA、現在はステランティス・グループに属するシトロエンとプジョーが参入したのは2019年。とくに個性的なデザインを持つシトロエン・ベルランゴは日本市場でも人気を博し、発売以来すでに1万台以上を販売している。2024年10月4日、そのベルランゴにマイナーチェンジが行われ、日本での販売が開始された。 【写真21枚】特徴的な2段式ヘッドライトを止め、新しいファミリー・フェイスへとフロントのデザインを大幅に刷新した新型シトロエン・ベルランゴの詳細画像をチェック ◆2段式ヘッドライトがなくなった 大きく変わったのはフロント・マスク。ベルランゴのデザインにおける最大の特徴だった2段式のヘッドライトが廃され、フロント・グリルの中央にシトロエンの新しいブランド・ロゴが配された新しいデザインが採用された。 ◆創業時のロゴをオマージュ この意匠は、2022年のパリ・モーターショーで発表された「Oli concept」(オリ・コンセプト)と呼ばれるコンセプトカーの流れを汲むという次世代デザインが反映されたものだ。新世代のブランド・ロゴは、創業時のロゴをオマージュしたという。 フロント・グリルはエンブレムから波紋のように広がるブラックの模様が施され、3枚のパーツで構成されたヘッドライトに視線移動を促す効果も狙っているという。サイド・ビューは、前後ドアに配されたサイド・エアバンプとそこに配されたカラーアクセントが目を惹く。 ◆液晶メーターを採用 ブラックを基調としたインテリアは、ドア・ハンドルまわりにグレーが配され、落ち着いたムードを醸し出している。また、メーターが従来のアナログから液晶パネルのバーチャル表示に変更され、表示をドライバーの好みに設定することが可能になっている。 ステアリング・ホイールは2スポーク・タイプに変更し、ステアリングの形状をわずかに楕円形状にすることで操作性の向上も盛り込まれている。さらにステアリング・ヒーターが新たに加わり、寒い季節の快適性を向上させている。 機能面では、インパネ中央のタッチ式ディスプレイが従来の8インチから10インチに拡大されたのが見どころだ。インフォテイメント・システムも刷新され、「OTA」(オーバー・ジ・エア)を活用した車両のソフトウェアのアップデートが可能だ。また、「Apple CarPlay」、「Android Auto」に対応したType-CのUSBコネクタも用意されている。 ◆高い機能性と積載性は健在 シートアレンジや積載性は、基本的に従来型から大きく変わっていない。ショート・ホイールベースの5人乗り仕様は、車内に開放感をもたらすガラスルーフと多機能なルーフの収納がひとつになった「Modutop」(モジュトップ)が引き続き採用されている。それ以外にも車内には20カ所以上の豊富な収納スペースが用意されている。 ロング・ホイールベースの7人乗り仕様は、セカンド・シートをたたんだ際の最大ラゲッジ容量が2693リッターへと拡大。さらに、助手席をたたむことで、サーフボードなどの長尺物が積載可能な3060mmのスペースが生まれる。(5人乗りモデルは2126リッター、2700mm)。 ◆運転支援装置もアップグレード 先進安全装備もアップデート。アダプティブ・クルーズコントロール(ACC)がミリ波レーダーの追加により性能が向上し、停止後3秒以内の再発進も可能になった。車線維持機能には、右寄りや左寄りなど、任意の位置で車線内のポジションを維持できる「レーンポジショニングアシスト」が新たに追加されたことで、ロングドライブ時などでの負担軽減に寄与する。そのほか、クルーズコントロール&スピードリミッターのスイッチが従来のステアリング・コラムからステアリング上に変更されたことで、より直感的な操作が可能になっている。 ラインナップは標準ボディで2列5人乗りの「マックス・ブルーHDi」とロング・ボディで3列7人乗りの「ロング・マックス・ブルーHDi」の2タイプ。どちらも同一グレードだが、ロング仕様にはガラスルーフが付かないなど装備に若干の違いがある。パワートレインは両モデルともに、従来型と同じ1.5リッター直4ディーゼル・ターボ+8段ATを搭載する。 ボディ・カラーは、新色の「ブルー・キアマ」、「グリーン・シルカ」に、「ブラン・イシ」を加えた3色展開となっている。 ◆記念限定車も登場 また、マイナーチェンジを記念して特別仕様車の「ベルランゴ・マックス XTRローンチ・エディション・ブルーHDi」が発売された。「アドバンスド・コンフォート・シート」(フロント)、17インチ・ホイール、フロントとリアのスキッドプレート、専用カラー・ダッシュボード、専用エアバンプ・カラーアクセントなどを標準装備。ボディ・カラーはブルー・キアマのみとなっている。 価格は、「マックス・ブルーHDiが439万円、ロング・マックス・ブルーHDiが457万円、特別仕様車のマックス XTRローンチ・エディション・ブルーHDiが457万2500円となっている。 文=塚田勝弘 (ENGINE WEBオリジナル)
ENGINE編集部