新大関大の里「初日の入りは難しい。しっかりと準備」九州場所へ平常心 87年ぶり偉業なるか
最後まで記録ずくめで駆け抜ける。大相撲の今年最後の本場所、九州場所(福岡国際センター)の初日を翌日に控えた9日、新大関大の里(24=二所ノ関)は福岡市の部屋で最終調整。締め込み姿で、四股などの基礎運動で汗を流した。 今年は5月の夏場所で、初土俵から所要7場所の史上最速優勝。2度目の優勝を果たした先場所後は、所要9場所と史上最速で大関に昇進した。勢いは加速するばかりだが「初日の入りは難しい。しっかりと準備して頑張りたい」と、平戸海との初日へ気を引き締めた。 新入幕だった初場所から快進撃続きで、今場所は偉大な大横綱と比較されることは必至だ。新大関で優勝すれば06年夏場所、後に歴代最多45度も優勝する白鵬以来、18年ぶり9人目。さらに関脇、新大関と連続優勝すれば、歴代最長69連勝を飾った双葉山以来、87年ぶりの偉業を達成する。それでも大の里は「そういうことは考えない」と、浮かれず平常心を保っている。 新入幕から先場所まで5場所連続の三賞受賞も、史上初の快挙だった。今年56勝は最多。年間最多勝争いでも52勝で2位の大関琴桜を4勝リードする。新入幕の年に年間最多勝なら、60年初場所で新入幕の「昭和の大横綱」大鵬以来、64年ぶり2人目。新入幕が初場所でなければ難しい記録だが、新入幕から2年以内の年間最多勝も他に輪島、朝青龍しかいない。今場所の顔が、相撲史にさらに名を刻めるか、注目が集まる。