「何を言うか」ではなく「誰が言うか」 中間管理職の悩みを救う、ツッコミの達人・春風亭昇也の「場の主導権を握る会話術」
この話に出てくる番頭さんは、お店のことは全部任されているけれど、いわば雇われ店長であり、社長ではない人。まさに中間管理職のような立場にあります。 やらかしてしまった番頭を上司にあたる大旦那が呼び出して話をするくだりがあるのですが、頭ごなしに怒るのではなく、大きく包み込むような諭し方は実に見事です。
上司と相対するときは、自分のことばかりでなく、想像力を働かせて相手のことを考える。 反対に部下や後輩と接する場面では、相手を許す部分を持ちつつも、手綱の締め具合、緩め具合を調整する。 そのあたりのあんばいを知る意味でも、落語はおすすめです。なによりも、落語を聞くと人生3割増しで楽しいですからね。
執筆:天野夏海 撮影:大橋友樹 デザイン:山口言悟(Gengo Design Studio) 編集:奈良岡崇子