【働き手不足は止まらない】日本社会の人材不足を多角的に分析 原因と解消策を示す記事8選
4:<増員だけで“いい介護”は生まれない>介護・看護に正のスパイラルをつくる『介護リテラシー』とは(2022年3月16日)
高齢化が進む中、介護業界の人手不足が懸念されて久しい。2021年に厚生労働省が公表した介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数によると、25年度には約32万人、40年度には約69万人の追加確保が必要だという。 国は増員のための施策に力を入れているが、果たして多くの人材が確保されれば介護にまつわる諸問題はすべて解決するのだろうか? 在宅介護、看取りについての連載2回目の今回は、社会や個人にとって「いい介護」をつくるためにできることを考えていく。 筆者が介護サービス利用者の立場から疑問を持った発端は、介護が必要な両親と離れて暮らす遠隔介護の経験による。訪問介護・訪問看護・訪問リハビリを利用し、昨年末には父を在宅で看取ったのだが、数年前からのこの流れの中でもっとも苦労したのは、親と介護関係者との信頼関係づくりだった――。 人員増でない介護・看護を充実させる新たな処方箋
5:<報酬引き上げでも働き方改革でもない>医師不足解消のための根本的な解決策とは(2024年1月9日)
2023年の年末は、医療、介護、障害福祉の診療やサービスの対価となる診療報酬改定への議論が大詰めを迎えていた。診療報酬は2年に1度、介護報酬および障害福祉サービス等報酬は3年に1度改定が行われており、今回は6年に1度の同時改定。報酬を引き下げたい国と医師会との攻防が繰り広げられた――。 診療報酬を引き下げたい国に対し、日本医師会の松本吉郎会長は11月29日の定例会見で、「物価高騰、賃金上昇の中で安全かつ質の高い医療・介護を安定的に提供するには医療介護従事者への賃上げを行い、人材を確保することが不可欠だ」と語り、改めて「診療報酬の思い切ったプラス改定しかそれを成し得ない」と強調していた。 結局、24年度の診療報酬は、医療従事者の人件費部分を0.88%引き上げる一方、医薬品の公定価格の薬価は引き下げ、全体で0.12%のマイナス改定となった(「来年度の診療報酬改定 人件費など引き上げも薬価は引き下げ」2023年12月20日 NHKニュース)。本体のプラス改定により、薬価の引き下げに伴う保険料や医療にかかる税金の軽減効果は打ち消される――。 医師不足解消は報酬ではなく周辺業務の開放しかない