「お弁当のから揚」ほっともっと担当者が語るこだわり
──鶏肉のうま味を引き出す味付けのポイントとは、どんなことなのでしょうか? 田中さん:ただうま味を引き出すだけだと、ご飯に合わなくなってしまうので、「ご飯に合う」という点は守ります。から揚の味付けの要素である、にんにく、生姜、醤油の調整が重要です。 ──なるほど。ほっともっとのから揚って、バランスがいいと思っています。にんにく、生姜、醤油のどれもが強すぎないですよね。 田中さん:なるべく好みが分かれないようなバランスにはしていますね。 ──ポジショニングマップのど真ん中という感じはするんですよね。から揚の真ん中。 田中さん:家庭では出せないけど、外さない味。老若男女の皆さまに愛されるから揚をこれからも守っていきたいです。 ──だから飽きないし、「おいしい」以外の食リポもしにくかったんですね……。
時代に合わせた変化でから揚の味の伝統を守る
──から揚の味付けは時代に合わせて、マイナーチェンジはされているのでしょうか。 田中さん:はい、2~3年に1回のペースでブラッシュアップしています。 ──そんな頻繁に変えていたんですね。ただ食べている身からすると、昔から変わらない味だな~と思うんですけど……。 田中さん:既存のお客様がいらっしゃるので、あまり大幅な変更はしません。ベースは変えないけれども、トレンドを踏まえた、微修正といった感じです。 ──から揚のトレンドって、あまり考えたことがないですね。時代に応じて、どのようなトレンドがあるんでしょうか。 田中さん:意外とトレンドに変化があるんですよ。衣がザクザクしたものがはやったり、にんにくが強いものがはやったり。
──から揚のトレンドって、どうやって情報収集しているものなんでしょう? 田中さん:たくさんの店舗を展開しているお店のから揚を食べてみたり、新商品や話題になっているから揚を食べてみたり。さまざまですね。そういったことは、から揚に限らず、他のメニューでもやっていますよ。 ──そうやって得たトレンド情報を、味のブラッシュアップ計画に活用するわけですね。 田中さん:トレンドをどこまでほっともっとのから揚に取り入れるのかを細かく調整しています。 ──そのあたりの調整は難しそうですね。 田中さん:トレンドを取り入れたとしても、ほっともっととしてのベースを崩さないようにしています。味を大きく変えすぎると、既存のお客様をがっかりさせてしまうので。あまり大幅に変えないようにしつつも、変えています。にんにくを強めにしたり、醤油を強めにしたり。