電力食べ尽くすGPU、生成AI時代に進化するデータセンター。日本の電力需要、V字増加にどう挑む
「我々のデータセンターでも、生成AI向けのサーバーの電気消費量は従来のものと比べて約10倍近くになると見込んでいます。それを冷却するコストも単純に10倍になっているのが現状です」 【全画像をみる】電力食べ尽くすGPU、生成AI時代に進化するデータセンター。日本の電力需要、V字増加にどう挑む データセンターなどのデジタルインフラ事業を展開するさくらインターネットの取締役を務める前田章博さんは、データセンターの消費電力の変化をこう語る。 生成AI需要の高まりによって、世界中でデータセンターの新設が進んでいる。IEA(国際エネルギー機関)は、AI等による世界の電力需要は、2022年の460兆Whから2026年には1000兆Whを超えるまで成長する可能性もあるとの見通しを示している。2023年度の日本の発電電力量が約980兆Whであることを考えると、その大きさがよく分かる。 アマゾンやグーグル、マイクロソフトなどアメリカのビッグテックの中には、将来的なデータセンター用の電力確保のために、次世代原子炉への投資を決定する動きも出てきた。 日本も他人事ではない。第7次エネルギー計画の議論が進む中で、これまで微減が続いてきたエネルギー需要が増加に転じるとの予測がある。背景にあるのはTSMCやラピダスといった半導体工場の誘致や、データセンターの新増設だ。 生成AI時代の「電力問題」にこれからどう向き合うべきなのか。
三ツ村 崇志