「手首回し」と「タオル握り」で手に負担なく握力アップ【40歳から始める! 健康寿命を延ばす「手力・足力」!⑨】
ペットボトルやビンのキャップを開けるのに苦労すると、握力の低下を実感してしまう。握力は体全体の筋力と相関関係があるとされ、健康寿命にかかわるサルコペニアの診断基準のひとつになっている。そんな握力を強化する方法について、看護師で英国ITEC認定リフレクソロジスト・アロマセラピストの市野さおりさんに伺った。
握力アップの第一歩は手首の柔軟性を高めることから!
サルコペニアとは、加齢によって筋肉量の減少や筋力が低下した状態のことだ。これを放っておくと、やがて認知症発症や要介護生活へ進み、健康寿命を短くするリスクが高まる。そのサルコペニアの診断基準のひとつに「握力」がある。握力が低下している場合は、体全体の筋力も低下しているという目安にされているのだ。 ※サルコペニアに関しては第1回<○力が弱い、○○が遅い人は、将来の要介護予備軍!?>参照。 「握力が低下すると、生活シーンでさまざまな不便が生じるので、できるだけ維持したいですね。そのためには、手に負担をかけずに腕全体の筋力アップを図ることが大切です。 まず最初にしてほしいのが、手首の柔軟性を高めることです。スマホやパソコンの長時間の操作や重い荷物をいつも同じ手で持つなど、手首に負担がかかることを続けていると、手首の筋肉や腱が固まって、動きが悪くなります。 そこでおすすめなのが、手首のストレッチです。手首を大きくグルグルと回すことです。このとき、右回りと左回りで、やりやすいほうがあると思います。慣れない方向に回すと違和感がありますよね。この違和感を覚えることが大切なんです。 慣れていない刺激を受けることで、脳や筋肉が活性化され自律神経が整います。血流がよくなり、手首の柔軟性が高まります。 この違和感で慣れない刺激を受ける方法には、もうひとつおすすめがあります。それは手の指を組むことです。左右の手の指を組むとき、右の親指が上になるか、左の親指が上になるかは人によって癖がありますよね。 一般的に左の親指が上なら右脳タイプ(直感的)、右の親指が上なら左脳タイプ(論理的)などといわれています。これを時々、いつもと違う組み方をしてみるのです。この違和感を体感することが、脳にとてもよい刺激になります。思考さえ変えるともいわれています。 少し話がそれましたが、手首グルグル体操のときも、苦手なほうにもしっかり回すことが重要です」(市野さおりさん)