【密着】年の瀬の“年金事情” 孫のお年玉「頭が痛い」、段ボールをカーテン代わりに 寒さ本格化…暖房も我慢『every.特集』
■「外で食事するのは数えるほど」
和食の店でも、とっておきのプチ贅沢を楽しんでいる受給者がいました。東京・品川区にある「木曽路旗の台店」では、夫婦がゆったりとくつろぎながら食べる、至福のひとときを過ごしていました。 「おいしいです。日本食大好き」 四季折々の旬の素材を生かした天ぷらやおつくりなどが楽しめる「籠盛(かごもり)定食」(平日ランチ限定、内容は季節により変更、一部店舗を除く)に舌鼓を打っていました。 「年金だけではとても暮らせないですね。そんなに度々、外で食事するのは数えるほどですね」
■「お年玉」のために食費を削る人も
多くの人から聞かれる、年金生活の厳しさ。追い打ちをかけるのが年末年始の出費です。次の支給日は2か月後。特に苦労するというのがお年玉です。 ひと月の年金が約9万円の77歳は「お年玉だけで、孫が4人いるので3万円、4万円かかっちゃう」。同じく約14万円という76歳の男性は「1万円ぐらい。(孫は)2人います。頭が痛いですね」と言います。 この76歳の男性は、お年玉のために食費を削るといいます。 「もやし。値段が安いから。栄養もあるらしいから。最悪の場合、食事を少し減らす」 ひと月に7万5000円ほどの年金をもらう男性(79)。小学生の孫が2人いるそうですが、「お年玉!? あげない。知っているから、子供たちが。年金生活で大変というのを。こっちがお金ないこと知っているから」と明かします。 ただ、「本当はね…(プレゼントをあげたい)。生活は厳しいですね」と本音ものぞかせます。
■長期間の通院で…お年玉を「減額」
小学3年生の孫がいる、ひと月20万円ほどの年金で暮らす女性(86)に話を聞きました。「じいじからだよって、5000円。天国からきているよと。私からは1万円で、喜びます。じいじが天国からくれたって言っていますから」 毎年、亡くなった夫の分として5000円、自らは1万円を渡していましたが、今年から自身の分は5000円にしたそうです。長期間の通院が必要になり医療費が増えたため、お年玉の金額を減らさざるを得ないといいます。 この女性は「2週間に1回(病院へ)行って、1回行くと2万円弱タクシー代と(治療費の)両方でかかりますので。(治療が)何年かあるから、お年玉続けるのは大変だなと思って」