【密着】年の瀬の“年金事情” 孫のお年玉「頭が痛い」、段ボールをカーテン代わりに 寒さ本格化…暖房も我慢『every.特集』
今年最後の年金支給日だった13日、都内5か所で30人以上の受給者を取材。「足りるわけない」「もう少し上げて」という声が聞かれました。孫のお年玉を満足に用意できない人や、暖房を我慢する人も。見えてきたのは、想像を超える年金生活の厳しさでした。 【動画で見る】段ボールをカーテンに…年の瀬の“厳しい年金生活”に密着『every.特集』
■お年玉にクリスマス…「いろいろ大変」
13日、都内のATMには行列ができていました。 2か月分が一度に支給される年金。「年金を下ろしにきました」という男性(78)に支給されたのは約11万円です。ひと月にすると5万5000円ほど。「孫が2人いて、お年玉とかクリスマスプレゼントとか、いろいろと大変ですね。出費がかさみますね」と嘆きます。 ひと月の年金が約15万円の80歳は「大変よ~。(年金で)足りるわけないじゃない」と話します。
■支給日の4日前で…残り5000円
支給日の4日前、年金暮らしをする80歳の戸田さんを訪ねました。家賃1万6000円の都営住宅で一人暮らしをしています。部屋にカーテンはなく、段ボールをカーテン代わりにしていました。 「これ(段ボール)と同じもの。これをやろうと思っているんだけど、なかなかできないんだよ。暇があっても」と言います。寒さ対策で大きめの段ボールを用意しましたが、まだ取り替えていないそうです。 戸田さんの年金は、ひと月に約12万5000円。貯金はなく、年金も生活費と医療費に消えて、生活は厳しいといいます。 戸田さん 「13日(年金支給日)までもう5000円くらいしかない。だから1日1000円の計算」 節約しながら支給日までを過ごしています。「金あればあるほど、食い物の方に使っちゃうんだよね。だいたいそんなもんだよ」
■年末年始の楽しみは…おせちと夢
10人きょうだいの末っ子として生まれた戸田さん。中学を卒業後、すぐに働き始め、30歳からはトラックドライバーとして30年以上働いてきました。 そんな戸田さんは、今年最後の年金で楽しみにしていることがあるといいます。 「おせちね。ローソン(ストア100)で2セット買うわけよ」。 1品108円から買えるオリジナルのおせち。25日に店に並んだら奮発して、1万5000円分ほど購入するつもりだそう。 迎えた年金支給日。戸田さんは銀行にやってきて、年金を下ろしました。そのお金で、おせち以外にも楽しみにしていることがありました。「とりあえず6万円だけ下ろして。宝くじに1万円だから」。早速、宝くじ売り場に向かい、9000円分を買いました。 「買うのは夢だから。当たったらもう家買うでしょ。あそこの団地出なきゃなんねえよ」。年金で買ったおせちと夢を楽しみに、年末年始を過ごすといいます。