形はベーシックで重量はウルトラライトなバッグが欲しい。
経年変化を楽しめるレザーもいいけれど、 超軽量で頑丈なハイテク素材が現代のチープシック。 僕らのチープシック2024
TEMBEA 200g
この柄は何だ? 素材の名はX-PAC。確かに、というネーミング。エックス状に組まれたポリエステルの紐を表地と裏地でサンドイッチした3層構造によって、織物の弱点だった斜め方向の力に強くなり、丈夫さ増し増し。開発したのは世界一のシェアを誇るヨットの帆のメーカー。なるほどなるほど、いろいろ納得。撥水加工も施され防水性はばっちり。雨に降られても、風にあおられても大丈夫。そんな素材を定番の「バケットトート」に。タフに生きましょ。
PORTER 860g
ん、いつもと違う〈ポーター〉の感じ。ECCO LEATHER社が開発したDyneema® Bonded Leatherとは、世界最強の繊維と名高い超軽量素材Dyneema®と牛革を張り合わせたハイブリッドな素材。見た目はレザーだけれど、持ってみると驚くほど軽い。その強度は、同じ重量で比べて鉄の約15倍。まじか。しかも日本のバッグブランドで初めてこの素材を使ったのだとか。新しいこと尽くしだけどクラシックな佇まいがいい。2WAYだし斜め掛けにしてもよさげ。
BROCHURE 130g
コンパクトに持ち物がまとまるのはかっこいい。けれど、もしもの荷物が多い、心優しい現代のエンターテイナーのカバンは大きいのだ。タフな素材ならやはりDyneema®。〈ブロシュア〉のディレクター加藤忠幸さんは、IKEAで買えるどでかくて青いアレをオマージュしてデザイン。ハンドルは2種類が付いて、短く持っても肩に掛けてもいい。秋冬のレジャーや世のため人のため運搬作業に使ったり。たとえ荷物を詰め込まなくても、大きな鞄は可愛らしいね。
SIWA 260g
和紙漉きの製法でペットボトルの再生繊維を100%使用し、強度と風合いを出した「ナオロン」。和紙の産地として1000年の歴史を持つ山梨県が拠点のメーカー大直と、画期的な「ふつう」をかたちにする日本を代表するプロダクトデザイナー深澤直人さんによるブランド。アメリカで暮らしていたときに見た、街行く人がくしゃっと抱えるクラフト紙のバッグがヒントになった。和紙の風情がありながら、10㎏の耐荷重があり、濡れても破れない。使うほど色に深みが出る。 photo: Hirokazu Kobayashi, text: Yoshikatsu Yamato(2024年10月 930号初出)
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