今年の課題は「ASM」~ MBSD Cybersecurity Challenges 2024
おっさん技術者たちの所要時間オーバーの質疑応答の過程では MBSD の技術者が学生の発想から学ぶという瞬間も何度か見られた。毎年あるのだが今年はその回数が多かったと思う。MBSDCC 審査員は、ときにプライベートの時間を犠牲にして MBSDCC プロジェクトの進行にあたることがあるという。こうした技術を媒介とした若者とのコミュニケーションと成長こそがその犠牲への報酬であるのだろう。
上位 3 位のチームは下記の通り。
第 3 位は新潟コンピュータ専門学校から参加した「シン・電子遊戯部」。新規性のある提案が盛り込まれていた一方で誤検知や過検知への考慮がしっかりとなされていた点が評価された。
第 2 位は、静岡産業技術専門学校の「サンギF」。ツールを使った結果の説明が充分になされていた点と、ソフトウェアの設計がしっかりされており実現性が高いプロジェクトである点が評価された。
そして最優秀賞 第 1 位は、麻生情報ビジネス専門学校 福岡校の「麻生使節団」。プレゼンテーションの構成がわかりやすく伝わりやすかったことと、複数のツールを組み合わせて品質を高める努力を行ったこと、法律を含めた安全面も考慮されていた点が評価された。
上位入賞チームへの贈賞を行った三井物産セキュアディレクション株式会社 執行役員 関原 優 は「たとえ確固とした技術力があっても、それがちゃんと顧客に伝わって評価されることはすごく大事なことで、いいソフトウェアを作ってもその機能がわかってもらえなければ採用されないし、重要な脆弱性を見つけても理解してもらえないと直してもらえない。伝えることと伝わることがプロとして仕事をしていく上で重要」とコメントした。
● MBSD Cybersecurity Challenges 各年度の課題と最優秀賞チーム一覧
2016年: 最優秀賞第 1 位: WCDI(日本工学院八王子専門学校) 課題: SNSシステムの脆弱性を探す 参加: 29 校、78 チーム
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