【ニッポンの性】5年以上セックスしていない「セカンドバージン」、どうやって脱出するの?
Cさんの場合:気持ちが入っていない相手だからこそ、没頭できた。
そんなBさんの経験談を覆すのが、Cさん(45歳)の脱セカバーエピソード。現在10年以上セックスをしていない、「サードバージン」に突入した彼女がセカバー時代、5年ぶりに関係を持ったのは合コンで知り合った男性。「とにかく彼氏をつくろう」と思っていた時期に挑んだ合コンで、イケそうだと感じた彼にロックオン。自分からグイグイとデートに誘い、3度目のデートで付き合うことに。タイプではないし、特別好きという感情があった相手ではないが、致したところ、これがすごく気持ちよかったのだという。 「好きじゃないから恥じらいもなく、思い切り解放できたのかもしれません。自分でもびっくりしたのですが理性が吹っ飛ぶくらいに感じたんです」。以前に付き合っていた大好きな恋人とのセックスも普通に気持ちよかったけれど、ここまで感じたことはなかったのだそう。なのでBさんとは真逆なケースである。 「好きでも嫌いでもなかったけど、セックスは相性がよかったのかな」というその相手との関係は長く続かず、3ヶ月で自然消滅。そのまま10年くらいセックスなしの生活をしている。感情なしでも性の快楽は得られると身を以て知った彼女だけど、それ以降パートナーを求める気にならず自分の趣味や仕事の時間を楽しんで過ごしているそう。 これで最後かもしれないと思うと危機感を覚えて一時は女性用風俗について調べたこともあったというが、「性欲がそこまであるわけでもないし、やはりセックスするならば付き合っている相手がいいので」、今はやっていたマッチングアプリもお休み中。 三者三様の脱セカバー体験談。彼女たちが脱セカバーから改めて学んだことは、自分らしい性欲のあり方。セックスをしてもやはり「無」だったAさんに、心を開くからこそ体もひらけたというBさん、心が入らないからこそ恥じらいを捨てられるというCさん。どれが正解というものはなくて、どれを選んで、どう脱しても、どんな風にセックスと向き合うかも、結局は人それぞれ。セックスに「普通」なんて存在しないということがよくわかる。 私たちはすぐに何かを誰かと比較して不安になり、「皆と同じ」を手に入れて安心しようとするけれど。自分が心地いいと感じるのならば、セックスはあってもなくても構わない。何かを「すべき」という考えを捨てていこう。それがこれからの私たちの、「ニッポンの性」。 恋愛コラムニスト さかいもゆる 出版社勤務からフリーランスのファッションエディターとして独立。その後、アラフォーでバツイチになった経験から、恋愛や結婚における本当の幸せとは何かを考えるインタビュー読み物やコラムを多数の女性誌で執筆している。
text: Moyuru Sakai