横浜DeNAが作った公式映画の凄い中身 ~「ダグアウトの向こう 2013」~
横浜DeNAの2013年シーズンの戦いを密着したドキュメント映画「ダグアウトの向こう 2013」の試写会が、先日行われ、筆者も末席で拝見させてもらった。横浜DeNAが知られざる野球の魅力を伝え、新しいファン層の掘り起こしにつながればと昨年からスタートしたドキュメント映画企画の2013年バージョン。昨年のDVD作品「ダグアウトの向こう 2012」が、約7000枚売れるなど反響が大きかったため続編として製作されたもの。前作はDVD発売だけだったが、今回は期間限定で劇場でも単館上映される。 【動画】「ダグアウトの向こう 2013」 動画URL:http://www.youtube.com/watch?v=HgTX14WZMes
これまでメディアが足を踏み入れることのできなかった“禁断の地”とも言えるロッカー内、試合中のベンチ裏、移動バスの中などにカメラが密着していて非常に興味深い映像が撮られていた。今季のベイスターズの戦いを追うドキュメント作品だが、選手を数人ピックアップしながら、その人間ドラマに迫っているのが見所で単なる記録映画ではない。 詳しい内容は、これから見ようとしているファンの方々へのルール違反となるので書かないが、個人的には中畑清監督が、不調のキャプテン、石川雄洋をスタッフルームに呼び、直接2軍行きを命じるシーンが生々しい緊迫感に溢れていて強烈な印象として残った。なぜベイスターズが勝てないのかという原因も、映像の合間に垣間見えたが、私は「よく監督、選手がここまで撮らせたな」とも思った。 その点について、被写体となった中畑監督は、球団を通じて「多くの方々が観たいもの、感動するものは、真剣勝負の裏側であったり、知られざるドラマであることはわかっています。マンネリ化した、閉塞感の漂うプロ野球界にあって、新しいプロ野球の魅力を伝えたい、ファンの裾野を拡げたいという想いから、ロッカールームの中、監督室の中までカメラが入ることを許可しました」というコメントを発表している。いくら球団の公式作品だとはいえファンサービスに理解のある中畑体制だからこそ可能だった作品だったのかもしれない。