袖の先までこだわる人はカフリンクス専門店『CUFF SHOP』へ。
東京都内の駅名を「あ」から五十音順に選出し、その駅の気になる店やスポットなどをぶらりと周っていく連載企画「東京五十音散策」。「く」は九段下へ。
夏の暑さが辛すぎてすでに秋に思いを馳せる日々。ジャケットやシャツの装いについて考えていたら、改めてフラン・レボウィッツに夢中になってしまった。テーラーに仕立ててもらったジャケットにダブルカフスシャツ、リーバイス、カウボーイブーツのスタイルはいつもかっこいいけれど、特に惹かれたのが手元にちらっと見えるゴールドのカフリンクス。今まで意識したことのないアイテムだったからこそ気になって、早速九段下で見つけたカフリンクスの専門店へ。 東京五十音散策 九段下①
『CUFF SHOP』は、店主の川本千都子さんのご主人がカフリンクスマニアだったことがきっかけで2003年にオープン。川本さんでも把握しきれていないほどの商品数で、1000種類以上はあった。1セットは大体3000~5000円くらい。結婚式や式典などフォーマルなシーンではもちろん、ピアスのように毎日付け替えてカジュアルに楽しむ人もいると知って俄然興味が湧いた。
カフリンクスが出てくる映画や本をまとめたお店のブログも必見で、数々の作品の中から「ポパイ読者の方に観てもらうなら」と選んでくれたのは、ジョン・ウー監督の『フェイス/オフ』。終盤に15分ほど続くジョン・トラヴォルタとニコラス・ケイジの葬式での銃撃戦シーンで両者とも身につけている。顔が入れ替わるという設定のせいでどっちがどっちだか混乱しそうになるけれど、そんなときは袖を見れば解決。FBI捜査官は小さく控えめ、テロリストはベルト付きの豪華なカフリンクスをつけていて善人と悪人のイメージを投影していた。まだ周囲でカフリンクスをよく使う人に出会っていないから、そんなふうに映画の登場人物から選び方や取り入れ方を学んでみようと思う。
スマートフォンをかたどったもの、アニマルモチーフ、スポーツをテーマにしたシリーズなどはずしになるような可愛いものが多くてたまらないが、まずはやっぱりアクセサリー感覚でつけられるゴールドかな。夏本番はこれからだというのにもう頭の中は秋のことばかりだ。