今の能登を知り、これからの能登を考えよう!「ESqUISSEコラボレーションチャリティイベント NOTO NO KOÉ」をレポート
もう一つの問題は支援物資でした。賞味期限切れや、誰がどう作ったかわからない料理がジップロックに入っていたり、水道が止まっているのに泥付きの野菜が送られてきたり。気持ちはありがたいのですが、食材には困っていなかったので……」
――クリスさん「今、何が必要なのか、支援する側が考えなければいけないことです。またタイムリーな情報も重要不可欠ですね」
――池端シェフ「実はこれからが辛いんです。街は復旧が進みましたがメンタルがやられるんです。僕も1週間前から誰とも会いたくなくなって。このイベントがあったので何とか出てこられたのですが、お金もないし、報道も減って忘れ去られるのではないかという気持ちにもなり、これからどうやって生きていくのかを目の前に突きつけられると鬱になるんです」 ――平田シェフ「2月中は県外のイベントに呼んでいただき料理していたのですが、最初はコース料理を作る気持ちに戻れませんでした。でも何度か作っていくうちに炊き出しもコース料理も食べる人を幸せにしたいという気持ちは一緒だと思い、自分の使命は料理を作ることだと前向きになれました。2月に断水も解除され3月から営業再開しています」 ――クリスさん「赤木さんが仰っていましたが、補助金が支給されるまでに1年ほどかかると。1年も何もしないで生きていけるほど貯金がある人はそういないですよね。震災直後はもちろんですが、本当はしばらくしてからのサポートが肝心なのですね」
――クリスさん「少し料理のお話を伺います。今回は能登の食材をたくさん使っていただけるようですがメニューはいつ決められたのですか?」
――池端シェフ「先週かな?(笑)。僕は、被災したけどがんばるぞ!と言ってくれている77歳の大村さんが育てた七面鳥を使います。それに合わせるのが自分たちで育てて干した椎茸です。それから平田シェフが能登の山で採ってきてくれた茗荷やクレソン、ハーブ、炊き出しに野菜を提供してくれた上田農園さんの野菜もたくさん使います。昨日東京に到着した時は料理以外のことを考えて落ちていましたが、久しぶりに厨房に入って今は気持ちが高揚しています」