またもやホイール色に衝撃! 新型『MT-07』の斬新カラーをヤマハデザイナーが紐解く
欧州ヤマハが10月24日に発表し、11月5日に開幕したEICMA2024でも目玉のひとつとなった2025年モデルの新型『MT-07』。第4世代に進化したそのデザインは、鮮やかな明るいブルーのホイールがまず目を惹く。そこにどんな想いが込められているのか? デザイナーを直撃した。 歴代ヤマハMT-07に採用された斬新なカラー
◆ブルーソリッドのホイール
新型MT-07では3タイプのカラーコーディネイトが選べるが、やはり注目はブルーソリッドという新色のホイールを履く「アイスストーム」。タンクなどのボディ色には、既存色のマットライトグレーメタリック4を組み合わせている。
ちなみに「アイスストーム」は欧州ヤマハの色名で、カラーデザインを手掛けたヤマハ発動機のプロダクトデザイン部・CMFGグループリーダー渡邉祐也氏によれば、「開発当時はスカイフローと呼んでいた」とのこと。「澄み切った空のような、洗練されたクリーンなイメージ」という主旨である。(注:ヤマハではCMFに「グラフィック」を加えてCMFGという造語を使う)
空=スカイだから、やはり鍵はホイール色なのだが、スカイフローの「フロー」は蛍光の意味。となれば思い出すのが、2016年モデルのMTシリーズに投入された蛍光イエロー(正式にはアシッドイエロー)のホイールだろう。前例のない明るく鮮やかなカラーリングが大きなインパクトをもたらした。
あれからMTシリーズは一貫して彩度の高い色のホイールを用意してきた。その最新進化版が今回のブルーソリッドというわけだ。
◆アシッドイエローの挑戦
2016年モデルのCMFGを担当し、現在はスクーターのデザイングループでリーダーを務める安田将啓氏にも話を聞くことができた。あのアシッドイエローのホイールの生みの親だ。
それまではMT-07にオレンジ、『MT-09』にレッドのボディ色があったものの、「従来のモーターサイクルのセオリーに則ったカラーリングだった」と安田氏は振り返る。
「(2008年の)リーマンショックで市場が縮小した後、モーターサイクルを根底から見直そうと開発したのがMT-09/MT-07。ただ、スタイリングや乗り味に比べて、カラーについては、低迷した気分から立ち直るスピードが少し遅いと考えていた」