またもやホイール色に衝撃! 新型『MT-07』の斬新カラーをヤマハデザイナーが紐解く
◆The Dark side of Japanの世界観
「もともとMTシリーズは普通のネイキッドではなく、Xスポーツなどのサブカルチャーに通じるクールなファッション性を持って生まれた。『The Dark side of Japan』のマーケティング活動によって、そうしたMTの個性をお客様に印象的に伝えることができたと思う」と語るのは、冒頭に登場した渡辺氏。そしてこう続ける。
「『The Dark side of Japan』でクールジャパンの世界観や夜をモチーフにした少し危うい世界観を訴求するなかで、バーミリオンはその世界観をより洗練させて表現した色。アシッドイエローを進化させ、世界観の純度を高めたのがバーミリオンだった」
「しかし次はもっとデジタルな世界で、日本のハイテクな文化を掛け合わせた表現にしたいと考えて、シアンを登場させた。アシッドイエローやバーミリオンではXスポーツなど他業界の要素を3次元の車体に巧く取り込んで再構成したのに対して、シアンや今回のCではデジタルの世界から飛び出してきたようなフューチャリスティックな要素を取り入れた」
背景にあったのは、「デジタルとリアルの境界が曖昧になってきた」という現状認識だ。メタバースはその例だし、近年は画像生成AIがそこに拍車をかけている。「MTシリーズのなかでも、MT-07は大型バイクのエントリーカスタマーに訴求する役割がある。デジタルネイティブなZ世代のお客様の琴線に響くためには、『The Dark side of Japan』の世界観の見え方を進化させなくてはいけないと考えた」
「今回、ブルーソリッドのホイールにマットライトグレーメタリック4を組み合わせたのも、クリーンでフューチャリスティックなイメージを求めた結果。『The Dark side of Japan』だからダークな色というのではなく、セラミックのような硬質で無機質な色にすることでクリーンさやデジタルの世界を表現しようという狙いだ」