17歳で父親を亡くした高校生は学校の教師に 「父の思いを生きた教科書に災害の教訓伝えていく…」 御嶽山噴火災害から10年【長野】
死者・行方不明者63人を出した御嶽山の噴火災害から27日で10年です。 ふもとの王滝村で、追悼式があり、遺族が涙ながらに自らの使命を語りました。 王滝村では噴火時刻に合わせて追悼式がありました。家族を失った高校生は、10年の時を経て学校教師になり、誓いの言葉を読み上げました。 「2014年9月27日、私は高校2年生の時に、御嶽山の噴火で父を失いました」 47歳だった父親を噴火災害で亡くした松井登輝也さん(27)。 遺族代表としてあいさつしました。 ■父親を亡くした松井登輝也さん 「あの災害から10年、私は教師になりこのような経験を、子どもたちに話すことがあります。すると、徐々に気持ちに変化が現れてきました。初めの頃は、山に対する怒りや、憎しみを感じていました。しかし、その感情から『なぜ父はあの山に登ったのだろうか』と疑問に思うようになりました。また父が登ったあの山にいつか登ってみたいと思うようになりました」 7月、噴火10年を前に、兄と初めて「慰霊登山」に参加し、父・貞憲さんの足跡をたどりました。 「山頂まで登りきることができ、父が亡くなった場所を初めて教えてもらい、涙が止まりませんでした。その時に父が亡くなった現実を改めて受け止めました。だから、私はこのような思いを、自分の教える子どもたちにはしてほしくないと強く思いました。父の思いを私が生きた教科書として、また災害の教訓を伝えていくことが、今後の私の務めだと思っています。最後に、お父さん、まだまだ一緒に、、、、まだまだ一緒に過ごしたかったね。親孝行が全然出来なくてごめんね。色々な近況報告を一緒に話したかった、、、、お酒も一緒に飲みたかったね。私の自慢のお父さん、私を育ててくれて、ありがとう。 遺族代表、松井登輝也」 一方、遺族などでつくる山びこの会は朝、王滝村の登山口でキーホルダーを配り、安全な登山を呼び掛けました。 戦後最悪の噴火災害から10年。災害を風化させない活動が続いています。