JOC山下泰裕会長が会見(全文2)巨大化した五輪見直すきっかけに
国民も非常に不安を抱えながら
日本国民も非常に我慢を強いられて、ワクチン接種も進まない中で非常に不安を抱えながらやってきています。しかしそういう日本の人たちにも、海外の選手たちも、非常に通常では考えられないぐらいの制限を受け入れて、そしてそれに従ってこのオリンピックに臨もうとしている。そのことは理解していただけるとありがたいなと、こう思っております。大会の形というのは、これから感染状況によってまた変わっていくかもしれませんけど、いずれにしても安心・安全を前提にして柔軟に対応していく必要があろうと思っています。よろしいですか。
ターニングポイントになる五輪に
記者1:(英語) 山下:ありがとうございます。私個人は、このコロナ禍の状況になる前、1年延期になる前、一番やっぱりこの大会のレガシーとして大事にしたい、そのことの1つは、世界中が、たくさんの方々が日本に来られて、日本の文化に触れ、日本というものをより良く理解してもらえる、この機会というのは日本にとって極めて大きなものであろうと、こう思っておりました。それからもう1つは、逆に世界中から多くの人を迎えて、そして島国日本の人たちが目を世界に向ける、多様な社会、やはり内だけを向いていては駄目なんだ、世界の中の日本なんだ、海外を身近に感じて、目を世界に向けて、もっともっと日本の人たちが世界に関心を持っていく、このことは一番期待しておりました。そういう意味で言いますと、たくさんのそれに期待する部分はあったんですけど、このコロナ禍の状況の中でいろんなこと、そういった、われわれが大会を通して、大会に向けて準備してきたことを通して、これから残していきたいもの、それはなくなったものも多い、これは事実です。 しかし今回、ちょっと話は違うんですけど、大会が1年延期になって、あるいはその前から、やはり非常に巨大化したオリンピック、国の威信を懸けて豪華な華やかなオリンピック、これを見直すきっかけとなったオリンピック、これが東京2020ではないかなと、こう思います。私もこれまで、選手時代以降ずっとこのオリンピックに関わってきましたけど、今後やっぱりオリンピックが生き残っていくためには国の威信、豪華で派手で華やかで、たくさんの金を掛けて、それはやはり今後変わっていくべきだろう。そのターニングポイントになるオリンピックにしてほしいと、こう思っています。 やはり華やかさ、派手さ、勝った負けた、これももちろん大事ですけど、しかし世界中のさまざまな人たちが1つ、選手村に集って、そしてさまざまな違いを乗り越えながらお互いを理解していく、その精神が、オリンピズムが世界中に広がっていく、そのことには非常に価値があると、こう思っています。世界の最高の大会で頂点に立つ立たない、そのことだけが注目された部分がありますけども、しかしオリンピズムの原点、やはりそうやって同じところで同じルールの下で暮らしながらお互いの理解を深めていく、相互理解を深めて友好親善を築いていくことが世界平和につながっていくんだろう。