渋野日向子の今季海外メジャー初戦は「4本ウェッジ効果」でイーブンパー発進…「凄くいい」
「最終ホールはすごく曲げちゃいましたけど、今日は本当に最後まで振り切ることができました。最近にしてはすごくいいなと、個人的には思っています」 初めてフェアウェイを外したのは、右のバンカーに入れた2番(パー5、521ヤード)だった。そして、2打目をフェアウェイ左に運んだ後の3打目が、今シーズンにおける2つ目の変化となる。 ピッチングウエッジを外し、新たに2本を加えたトータル4本のウェッジから58度のそれを選択。ピン奥6mに3オンさせ、下りの難しいフックラインを読み切って2つ目のバーディーを奪った。 「自分のなかでちょっとずつ(4本のウェッジの)距離感がわかり出してきたので、大きくミスがなくなったというか。あとはもっと、もっと精度を上げていく練習が必要かなと思っています」 昨年までの渋野は51度と57度の2本のウェッジを使用していた。しかし、ミドルホールの距離が長いアメリカの戦いで、ロングホールで確実にバーディーを奪っていく青写真を具現化させるためには、100ヤード以内のショットの正確性をさらにアップさせる必要があると痛感していた。 あれこれと方策を考えているときに、自ら申し出て練習ラウンドをともにした石川遼から「100ヤード以内の精度を上げたいのならば、ウェッジを増やす選択肢がある」とアドバイスをもらった。最終的には46度、52度、55度、そして58度と異例にも映るウェッジ4本をバッグに入れた。 スイングの強弱ではなく、10ヤード刻みのショットを使い分けて100ヤード以内を完全に自分のものにする。11番(パー5、536ヤード)で奪った最初のバーディーは、フェアウェイから58度のウェッジで放った3打目をピンそば約2mにつけたパットを難なく沈めたものだ。 「あれ(11番)は個人的にも本当に嬉しかった。他にもいいショットがたくさんあったので」 ドライバーショットと、ピンまでの距離に合ったウェッジをすべて成功させてのバーディーに渋野も大きな手応えを感じている。18番はカップに蹴られ、最終9番はカップ右に外してバーディーこそ奪えなかったものの、ロングホールではすべてパーオンに成功。戦略的には奏功しつつある。 対照的にショートホールでのパーオンはわずか1回で、17番(179ヤード)と5番(172ヤード)ではともにボギーを叩いた。前者はバンカーに打ち込んだティショットが目玉になる不運もあり、後者はグリーン奥のラフに打ち込んだ2打目のアプローチがショートしてしまった。 「17番のティショットも当たり的には悪くなかったし、目玉になってしまったのはしょうがないですね。それでも、ダボを打たなかったことに関してはすごくよかったと思っています」