チョコプラ松尾が発症した「大腸憩室炎」の原因・症状・治療法とは【医師解説】
お笑いコンビ「チョコレートプラネット」の松尾駿さんが13日、「大腸憩室炎」になっていたことを、コンビのYouTubeチャンネルで公表しました。 YouTube上では、「なんか腹痛くてさ、下っ腹みたいなところが」と腹痛を訴え、大きい病院を受診したところ憩室炎だったと、診断までの経緯を明らかにしています。また、憩室炎について本人は、「大腸に穴があるんだって、部屋みたいな。そこに便とかが詰まって細菌が入って炎症を起こしてイタタタタって……。それで痛み止めの点滴を打ってもらった」と語っています。 大腸憩室炎はお腹の痛みが特徴で、ひどくなると腸内に穴が空いてしまうこともあります。症状の悪化前に早めに見つけて治療することが重要な病気です。気になる症状があれば、内科や消化器内科を受診し、詳しい検査を受けましょう。 今回は、大腸憩室炎とはどのような病気か、症状や原因、受診科目などを武井先生が解説します。 ※この記事はMedical DOCにて【「大腸憩室炎」とは?症状・原因について詳しく解説!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
大腸憩室炎とは
編集部: 大腸憩室炎とはどのような病気ですか? 武井先生: 大腸憩室炎とは、腸の大腸憩室と呼ばれる部分に細菌が増殖して炎症を起こした状態です。炎症が起きると、腹痛のほかに発熱などの症状を引き起こします。炎症が悪化して大腸憩室から出血した状態を「大腸憩室出血」と言い、この状態になると治療が必要です。 編集部: 大腸はどのような働きをしているのですか? 武井先生: 大腸は、小腸に続く消化器官です。小腸で消化・吸収されて運ばれてきた食べ物から、さらに水分やナトリウムなどを吸収して便を作り、体外へ排出しています。食物が口に入り、便として排出されるまでにかかる時間は24~72時間といわれています。 編集部: 大腸憩室は腸がどのような状態になっているのですか? 武井先生: 大腸憩室は、大腸の壁の一部が弱くなって、腸の外側に向かって「くぼみ」ができポケット状に突き出した状態です。内視鏡で確認すると、ハチの巣のようなくぼみが見えます。この大腸憩室を持っている人はたくさんおり、高齢者の半数以上の人に見つかります。大腸憩室があること自体は無症状のため、通常は心配する必要はありません。 大腸は形状により、上行結腸、下行結腸、横行結腸、S状結腸、直腸に分かれています。このうち、大腸憩室は上行結腸とS状結腸にできやすいのが特徴です。