チョコプラ松尾が発症した「大腸憩室炎」の原因・症状・治療法とは【医師解説】
大腸憩室炎の受診科目
編集部: 大腸憩室炎の疑いがあれば何科を受診すればいいですか? 武井先生: お腹の痛みや発熱などの症状があれば、まずは内科を受診しましょう。また、下血がある場合は早めに消化器内科や外科、胃腸科を受診してください。
大腸憩室炎の検査
編集部: 大腸憩室炎ではどのような検査を行いますか? 武井先生: 大腸憩室炎は、問診や触診などで症状や腹部を確認することで、ある程度診断できます。検査は主に以下の通りです。 ・問診 ・検温 ・血圧測定 ・腹部の診察 ・血液検査 ・腹部CT検査 腹部診察では、大腸憩室炎が起こっている部位や重症度などを確認します。血液検査ではどの程度炎症が起きているかが分かります。血液検査の結果とあわせて、激しい腹痛や高熱などの症状があれば、入院による治療が必要です。そのほか、虚血性腸炎、大腸がん虫垂炎などの病気がないかも確認します。
大腸憩室炎の性差・年齢差
編集部: 大腸憩室炎に性差・年齢差はありますか? 武井先生: 大腸憩室炎はどの年齢にも発生します。これまでは、若年者には少なく高齢者に起こりやすい病気でしたが、近年では女性や若年者の罹患増加が指摘されています。 男女差は従来から男性に多く、男女比は2~3:1でした。しかし現在では、男女比は1.5:1程度とほとんど差はなくなってきています。
大腸憩室炎の治療方法
編集部: 大腸憩室炎の治療をする場合、どのような治療方法がありますか? 武井先生: 大腸憩室炎は、発症しても常に軽症であれば食事管理や抗生物質の内服で経過観察を行います。ただし、大腸憩室炎を起こすと、腸が狭くなったり、癒着を起こしたり、穴が開いたりすることがあるため、症状が悪化しないように注意が必要です。 高熱や炎症がひどい、腹膜を刺激して痛みがある場合には、絶食と抗生物質の点滴のための入院が必要です。入院期間は1週間~10日程度で、穴が開いたり腫瘍ができたりして、手術が必要になった場合は、2週間~1か月程度の期間、入院が必要になる場合もあります。 また、腫瘍ができていたり、穴が開いていたりする場合には、内視鏡治療、血管塞栓術などの手術を行う場合があります。憩室が破れており、ひどい腹膜炎を起こしている場合には、一時的に人工肛門を作ることもあります。 編集部: 食べ物や習慣で気を付けることはありますか? 武井先生: 大腸憩室は欧米食が一般化したことで、若い人にも増加傾向にあります。動物性タンパクや脂肪の摂り過ぎに気をつけましょう。また、食物繊維の摂取が大切なため、野菜の多いバランスの良い食事を心がけましょう。すでに大腸憩室がある場合は、便秘をしないように、医師の指示の元下剤を飲むことも大切です。 そのほかにも、腸に負担をかける暴飲暴食、ストレス、過度な疲労を避けることも大切です。大腸憩室を指摘されたことがある場合は、普段から生活習慣の乱れに注意し、症状が現れたら、早めに医療機関を受診しましょう。